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参考にすべき欧州のエネ環境政策
地球温暖化対策や再生可能エネルギー導入で先駆的取り組みを進めている欧州だが、課題も相次いでいる。温室効果ガス(GHG)削減に向けた国際交渉が難航するなかで、EUが推進してきたCO2排出量取引制度は価格の暴落が続いている。再生エネ導入による電力コストの上昇に反発が強まり、政策の見直しも迫られている。
EUは2010年11月に「エネルギー2020」において5つの優先課題を策定した。20年までに省エネ20%、欧州内のエネルギー自由移動の確保、安定・安全・適正価格のエネルギー供給などである。さらにGHG排出量を90年比で20年25%、30年40%、40年60%削減目標を掲げ、50年には発電部門からのCO2排出量全廃というロードマップを公表した。
しかし目標と現実のずれは大きいようだ。GHG削減に向けた国際交渉では京都議定書からの離脱が相次ぎ、EUの孤立が深まっている。欧州経済危機による景気低迷は高コストエネルギーへの反発を招き、50年に向けたGHG削減目標もポーランドなどの反対で合意できず、域内の足並みの乱れも目立つ。
とりわけ排出量取引価格の暴落に歯止めがかからないことの影響が大きくなっている。08年夏にはトン当たり30ユーロだったCO2価格は、5ドル程度にまで下がっている。リーマン危機後の生産停滞が原因だが、再生エネ強制導入も値下がりを加速したようだ。
「欧州のエネルギー気候変動政策は、トップダウン型の理念・目標先行型になりがち。政治的理由によって再生エネ政策を過剰に投入した」とJETROの有馬純ロンドン事務所長は指摘する。不況が長期化するなかで高コストにつながる現在の政策は、産業界のみならず国民から批判が高まることになる。
ドイツのエネルギー環境政策を評価する富士通総研も梶山恵司上席主任研究員も、太陽光発電比率を高めたことが電気料金の上昇につながったという。以前の再生エネ政策は風力やバイオマスを先行させ、コストの高い太陽光には抑制的だった。この政策を見直したことが負担増の原因になったため、買い取り価格の引き下げに転換した。
日本も含め再生エネの本命になるのは風力発電という見方が大勢だ。課題は発電した電力を消費地に送る送電網の整備だが、ドイツでも送電線の敷設に住民の反対は強いとされる。
EUのエネルギー環境政策に課題が相次いでいるが、対岸の火事として第三者的に見るべきではない。再生エネ導入で日本は後発であることをチャンスと考え、今後の制度設計に生かすという姿勢が大切だ。