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塗料企業の海外展開占う日ペの戦略
シンガポールのウットラムグループによる日本ペイントへの株式公開買い付け(TOB)提案の取り下げで、両社は新たな協調体制のもと世界市場での展開策を模索することになった。日本ペイントにとっては、アジアにおける合弁会社の連結化が実現すれば売上高で世界3指を争える規模になり、急速に存在感が高まる。今後の協議の行方に注目したい。
TOB提案の撤回にともない、今後はウットラム社による日本ペイントの持株比率引き上げ、両社のアジア合弁会社における日本ペイントのマジョリティー化について新たに協議を開始することになった。塗料業界に衝撃を与えた今回の買収提案劇は、ひとまず収束を迎えた。
両社がアジアに構える合弁事業のうち、すでに日本ペイントが51%を出資し連結対象となっているのはタイ、韓国、フィリピン、台湾のみ。一方、非連結はインドや中国、シンガポール、マレーシア、インドネシアなど9カ国に及ぶ。これらを連結化すると、日本ペイントの連結売上高は約1650億円が上乗せされ4000億円規模に拡大し、成長戦略を一気に加速させることになる。
そもそもウットラムグループが事実上の買収提案を持ちかけたのは、日本ペイントを世界トップへと押し上げたいとの思いがあったからとみられ、その根底には高い技術力に対する魅力があったはずだ。日本ペイントは今後、ウットラムグループと従来以上にパートナーシップを深める考えを示している。その点、ウットラムのネットワークを活用できるメリットは大きく、アジア合弁の連結化により技術展開のスピードも高まる。
わが国塗料メーカーの海外生産量(技術供与先も含む)は2010年度に国内を上回った。新興国を中心とした建築用塗料の需要増大、また日系自動車メーカーの生産シフトを背景に、この動きはさらに加速するだろう。その一方で、成熟化した国内塗料市場にあっても環境配慮型の塗料、また節電、省エネ要求から遮熱、断熱効果のある塗料などの伸びが期待されている。メーカー各社は高付加価値タイプの開発に力を入れ、新たな市場を切り拓く努力が繰り広げられている。
こういった動きは長期的には海外市場への横展開にもつながり、すでに遮熱塗料は東南アジアなどで事業化する動きがある。内需縮小という現実を受け、蓄積技術を有効活用した塗料メーカーの海外戦略が改めて問われてくることになろう。海外市場における日本の塗料メーカーの成長戦略を占ううえでも、日本ペイントの今後の動きから目が離せない。