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技術の出口を重視する化学会春年会
化学工業は大学などで行った基礎研究の成果を、産業界が引き継いで製造プロセスや製品化の技術開発によって発展を続けてきた。世界の人口は70億人を突破、食糧、環境・エネルギー、健康など多くの課題に直面する中で、化学技術・産業の果たすべき役割は一段と大きくなっている。あす22日から4日間、滋賀県草津市の立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催される日本化学会の春季年会では最新の研究が発表される。実りある成果を期待したい。
日本化学会はわが国でトップクラスの会員数を有する有力学会で、年会は産学官連携を進める役わりを果たしてきた。とくに2005年の年会から始まった「アドバンスト・テクノロジー・プログラム(ATP)」では、社会や産業から求められる化学研究や技術の発表を通じて、情報交換を深め実用化を加速している。
化学技術の出口戦略を意識して、今年度からは(1)資源・次世代エネルギーと環境(2)新材料開発最前線(3)バイオ技術の新展開の3つに再編した。資源・エネルギー・環境では太陽光発電、燃料電池、大型蓄電、未利用熱エネルギー、炭素資源で講演ならびにポスター発表を行う。新材料では次世代リソグラフィ、プリンテッドエレクトロニクスなどを、バイオ技術ではバイオ電池、ナノメディシンなどを取り上げる。
ATPの発表で注目されそうなのは、東工大の細野秀雄教授らのグループによる高性能アンモニア合成触媒の開発がある。100年前に誕生して20世紀最大の化学技術とされてきたハーバー・ボッシュ法の課題であるエネルギー多消費を解決できる夢の技術だ。
トヨタ自動車によるバイオ燃料電池は、高価な白金に代えて酵素を触媒にした。エネルギー密度や出力密度を向上させ早期実用化に取り組んでいる。
バイオ関連では東大の菅裕明教授とベンチャー企業「ペプチドリーム」が進めている特殊ペプチド医薬品が期待されている。低分子医薬品や抗体医薬品に比較して開発が遅れている分野だが、海外の製薬会社ほど高い評価を行っている研究で、日本発バイオベンチャーの挑戦しても注目したい。
産業発展に貢献する化学技術とともに、化学と社会との共生を模索する企画も多い。「科学者たちの未来への挑戦」と題する市民公開講座、小中学生から高校生までを対象にする実験教室も開催される。また第4回を迎えた化学遺産認定では、新たに5件が選定された。わが国における化学のパイオニア研究者や企業人のチャレンジに触れる好機である。