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2013年03月18日 前へ 前へ次へ 次へ

期待先行を実体経済につなぐ政策を

 「円安・株高が進み、明るい兆しがでてきた」。経済同友会がこのほど実施した景気定点観測の調査結果で、製造業を中心に緩やかな拡大を指摘する声が急速に増加している。政府主導によるデフレ脱却への大胆な金融緩和への期待感の高まりを背景にしたものだが、今後、間断のない景気対策をどう打ち出していくかが問われる。この一方で、財政健全化という課題への目配せも不可欠で、経済運営の真価が問われる局面だ。
 経済同友会の定点観測は年4回実施しており、今回の3月調査には216人(回答率36%)が回答を寄せた。製造業は71人(化学製品は16人)だった。
 注目されるのは、景気の現状について「緩やかに拡大」が前回(2012年12月)の4・1%から59・3%へ増加した点。「緩やかに後退」が47・7%から0・9%に急減、「後退」はゼロとなったことと相関している。製造業については、「緩やかに拡大」が69・0%を占めている。景気評価の内容を指数化した同友会の景気判断指数も、前回のマイナス28・6から30・6へ大きく好転した。
 今後の見通しに関しては、「緩やかに拡大」が84・7%に増加、同友会指数も48・8へ上昇した。その背景にあるのは、政府支出の「増加」が27・3%から67・5%へ上昇、輸出の「増加」も23・6%から54・7%へ跳ね上がったことがある。
 1-3月期の業績は、製造業売上高の「増収」が49・3%と最大、同友会指数も同期見込み26・5、4-6月期予想は41・7と増収基調を予測。また、経常利益も製造業では「増益」が40・3%で最大、4-6月期予想は55・9%とさらに上向く。
 一方、年度の設備投資については、製造業が対前年度比「増額」が49・3%と最多、非製造業は「前年並み」が56・8%を占めた。ちなみに、製造業の「前年並み」は54・1%から31・9%へ低下している。製造業の設備投資の内訳は、能力増強、合理化・省力化、そして補修・更新の3分野がそれぞれ20%台半ばという構成だ。
 この調査で、政府の経済政策に関しては「良い」が76・7%、「非常に良い」が12・4%と高い評価、"アベノミクス"による経済再生策への期待感の高さを示唆している。優先的な取り組み課題では、「規制緩和を含む成長戦略の策定・実行」や「TPP(環太平洋経済連携協定)など経済連携の推進」が上位を占めている。
 円安・株高が産業界に明るい展望を与え始めたのは確かだ。政府は今後、実体経済の活性化策とともに、財政再建への道筋を示す必要がある。そのスピード感が求められる局面だ。


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