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2013年01月18日 前へ 前へ次へ 次へ

【2013 挑戦】旭化成 藤原健嗣社長

化学で新たな可能性を追求

▼...今年の経済環境をどうみますか
 「主要各国で新体制がスタートし経済成長に向けた政策もとられるので、世界的な経済の長期低落傾向に歯止めがかかるだろう。景気の下がり勾配は止まり、景気拡大に向けた1年になるとの認識だ」

▼...2015年度までの中期経営計画の進捗は
 「一昨年の4月に始動して2年弱が経った。新年度は厳しい環境のなかで出てきた芽をしっかり育て、刈り取る時期としていきたい。昨年4月にグループに加えた救命救急医療機器のゾールメディカルは、予想以上に業績が良く順調に成長している。この会社は何より命を救いたいという人達の集まりで、従業員のメンタリティーがしっかりしている。彼らにはビジネスのグローバルオペレーションのノウハウがあり、ここをプラットホームにすれば旭化成が大きく変わる契機になるのではないかと期待している」

▼...ケミカル分野は苦戦が続きます
 「今年はタイや韓国、シンガポールで新プラントが立ち上がり、ここでしっかり利益を稼いでいくことが第一だ。不安視する向きもあるが、石化モノマーこそ浮き沈みが激しいものの、樹脂や高機能材関連が好調でケミカルセクターを下支えしている。サランラップは内需に支えられ、高付加価値型製品もしっかり利益を稼ぎ出してくれている」

▼...水島ではエチレン設備の統廃合の議論が進んでいます。どのような姿を目指しますか
 「どんなシナリオにも対応できる準備をするのが私の基本的なスタンス。景気は急速に変化するもので、いつどうなるかなど誰にも分からない。必要なら然るべきときに1基化に踏み切ればいいし、そのために三菱化学と有限責任事業組合(LLP)を築いて話し合いを重ねているわけだ。JX日鉱日石エネルギーとはC3、C4留分の融通を含め全体で最適なナフサのプロフィットを志向していきたい。また、競争力の高いコンビナートとするために地域としては人の融通や共同防災対応、そして地区内のエネルギー効率をどう上げていくかという問題も大きな課題だ」

▼...化学産業には多くのポテンシャルがあるといっています
 「化学は先端的なサイエンスであると同時にベーシックなテクノロジーを期待されている部分がある。米国がシェールガスで息を吹き返したが、ここに汎用の基礎化学の新たな技術が加わればガスベースの先進型モデルが形成できるかもしれない。その技術の1つが、例えばわれわれが持つプロピレンを製造するEFLEXの技術かもしれないし、こうした機会に具現化することができたら面白い。そうした新しい可能性をこれからも追求していくのがわれわれの使命だ」
(但田洋平)

(記者から一言)
 住宅事業がグループ全体を牽引し、潤沢なキャッシュフローは他社がうらやむほど。もっとも、「やりたいことをやれるだけの資金はあるが、焦らず今年は足場固めを」と、まずはアクリロニトリルや合成ゴムなど海外新規プラントの相次ぐ稼働を着実に進める構え。昨年買収したゾールについては、その知見や事業基盤を生かせばヘルスケア分野だけでなく、全社の海外事業拡大の起爆剤になると期待を寄せている。


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