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東京一泊旅行のすすめ
東京・上野のビジネスホテルに泊まった。上野から電車で20分とちょっとの所に住んでいるのにである。飲みすぎて終電を逃してしまったわけではない。だいぶ前から予約しておいた。おかげで料金も7掛けほど。不忍池を眼下に望める部屋だった▼ネタを明かせば、とある本にそそのかされた。『東京いいまち 一泊旅行』(光文社新書)。著者はドイツ文学者の池内紀さん。カフカやゲーテの翻訳で有名だ。『ファウスト』の新訳は、他の訳では挫折した人たちからも、最後まで読み通せたと好評のようだ▼大の旅好き、居酒屋好きでもあるこの御仁、東京に住んでいながら東京のあちこちのホテルに泊まる。ひと月にいっぺんほどのペースで、低価格ながら心の行き届いた宿に出向く。未知という点でいうと、千キロかなたも十キロ近きも同じ。ホテルの窓から見上げる夜空は、旅情をかき立ててくれる。この旅は、足代がほとんどかからず、そのぶん長い夜の飲み代に回せる▼「一夜をともにして、初めて知る東京の町の素顔」という帯文のとおり、一泊という仕掛けが"時間軸"を取り替える。風景ががらりと違って見えてくる。朝早く散歩した上野は、初めて来た町のような気がした▼さて、次はどこへ泊まろうか。帰路の電車で、旅の終わりの切なさを追い払うように考えた。