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2012年12月27日 前へ 前へ次へ 次へ

幸福度は測定できるのだろうか?

 多くの企業は29日から年末年始の休暇に入る。1月4日を休めると9連休となり、海外旅行も例年より多いらしい。「毎日が日曜日」の生活が目前に迫っている身でも、少しだけ幸せな気分になる▼一方で、この長期休暇を有効に利用できるかと不安も感じる。図書館など公的施設は休館になり、長蛇の列が予想される神社や仏閣の初詣は気分が重くなって、幸福感も低下しがちだ▼幸福度を測定しようという動きがある。ブータンのGNH(国民総幸福度)が注目されたが、先進国で構成するOECDは、幸福度測定に向けた統計、知識および政策に関する世界フォーラムを開催した。国連も持続可能性指標に活用したいと決議している▼もちろん、批判的意見も多い。統計行政に長年携わった関係者は、幸福は心の状態を示すもので客観的な定義が可能かと疑問を呈する。さらに正確な調査が可能か、集計された統計が公的政策に役立つか、国民に信頼される中立性や客観性の確保などの課題もある。OECDが推進する理由である国際比較も簡単でなく、「数字の独り歩き」の懸念は根強い▼各種の幸福度調査で感じるのは、他者と比較して"これほどひどくない"という視点。今や忘れられた感のある元首相の政策目標「最小不幸社会」。不幸感比較でない日本の未来を目指してほしい。


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