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2012年12月20日 前へ 前へ次へ 次へ

健康増進によって企業価値向上

 従業員の健康増進に積極的に取り組んでいる企業は、社内の雰囲気も明るく業績も順調。経験的に理解できることもあって、経団連や経産省などで活動を支援する動きがあるが、問題は費用対効果が明確でないことだ▼富士通総研の河野敏鑑上級研究員は、健康増進と企業価値をテーマに研究してきた。健康保険組合のデータを利用して、企業における従業員の健康を左右する要因を分析した▼その結果、疾病の予防活動に前向き、育児支援などで出生率が高く女性が働きやすい、高い平均給与などが健康増進に貢献しているという。逆に平均年齢の高さに加え、退職率や企業内の給与格差が大きいと、職場内の人間関係が不安定になり、従業員の健康状態を悪化させる▼従業員の健康を維持できれば、長期休業は減り、職場の士気も上がる。やる気が高まれば労働生産性が向上して利益も増える好循環が見込める。医療費の削減は事業主が負担する健康保険料や拠出金を減らせる。コスト負担を吸収して企業価値が高まるという経済効果を指摘する▼厳しい国際競争にさらされている企業に、かつての年功序列賃金に象徴される日本型経営に戻れというのは無理だろう。一方で行き過ぎた成果主義導入で職場はギスギスしている。この難題をどう"止揚"するか、日本企業に迫っている。


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