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改めて問われる中国事業戦略の構築
尖閣諸島国有化に端を発して9月に吹き荒れた中国の反日デモ。この影響を受けて、日系自動車の不買運動が各地で発生、その波に翻弄されてきた。とくに打撃が大きかったのがトヨタ自動車で、中国における9月の新車販売台数は前年同月比48・9%減、10月も同44・1%減と大幅なマイナスが続いた。10月にはトヨタが大幅な生産ライン生産の調整を行ったこともあって、中国に進出している関連の部品、材料工場の「ラインは止まった」(在上海日系材料メーカー)という厳しい状況に陥った。
トヨタが先ごろ発表した11月の中国での新車販売台数は、前年同月比22・1%減と減少基調は続いているものの、随所で回復への兆しのようなものが見え始めているという。反日デモ以降、展示会などへの出展や宣伝活動を控えてきたが、11月22日から広東省広州で開かれた広州モーターショーには、トヨタのほか日産、マツダなど主要日系自動車が参加した。そして、環境対応や安全性など世界で高く評価されている日本車の性能の良さを改めてアピールした。また、日系自動車メーカーが中国各地に展開している販売店への客足も、徐々に戻り始めているという。
トヨタは広州モーターショーを契機に、中国におけるぶれない事業コミットを発表した。そして事業拡大計画を前倒し、2015年までに中国市場に20車種を投入、工場増強計画、ハイブリッド車種の一部基幹部品の中国生産などを加速させる方針を改めて示し「中国市場へ従来以上に深く関わり根を下ろしていく」方針を強調した。
日系化学関連業界でも尖閣問題に加え、来春以降の中国の新政権の方針や対日政策が明確になっていない以上、中国事業戦略の見直しや凍結を検討している企業もある。このなかでトヨタの示した中国戦略はあらゆる企業に共通するわけではないが、中国事業の重要性や将来性を再確認している企業が大勢になっているようだ。
チャイナリスクは政治が絡む問題だけに、これまで以上に複雑、深刻になっていることは否定できない。ただ、中国に進出して10年を超えている関西系化学企業の現地駐在総経理は「日本もアジアも欧米においても、あらゆる事業にリスクは存在する。一方、中国は巨大市場というリターンがあるのも事実。これから本格的に内需拡大、高付加価値市場が広がるだけに、日本企業の出番は確実に増える」と分析する。多くの化学や関連企業も中国事業を展開するなかで、中国社会により深く根を下ろす道を選ぶことも事業戦略の一つではあるまいか。