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ダイカスト用油剤業界の再編に学べ
ダイカスト用油剤業界の再編が進みつつある。MORESCOが日華化学からダイカスト用油剤と熱間鍛造潤滑剤の事業を譲受することで交渉に入った。一方の日華化学は、花王から繊維用化学品事業を譲受する覚書を交わしている。国内市場が低迷するなかで、MORESCOと日華化学は選択と集中により事業強化を図ろうとする姿がうかがえる。化学業界のさまざまな分野で再編が叫ばれながらも多くの企業がひしめき合い、なかなか再編が進まないなかで、両社の前向きな取り組みを評価したい。
MORESCOのダイカスト用油剤の買収に関しては、これが最初ではない。同社は2009年にダイカスト用離型剤では国内トップシェアのメーカーだった花野から同事業を買収した。そのMORESCOに日華化学のダイカスト用油剤事業が加われば、国内シェアの半分近くを占めることになるとみられ、2位メーカーとの差を大きく引き離すことになる。
ダイカストとは、複雑な形状の金型にアルミニウムなど高温で溶けた金属(溶湯)を高速・高圧で注入する鋳造方法。自動車部品などがこの方法で作られる。一般にダイカスト用油剤というと、金型への焼き付き抑制や鋳造物の脱型抵抗低減のためのダイカスト用離型剤、溶湯を金型に圧入するスリーブとチップ、ピストンの潤滑に必要なプランジャー潤滑剤の2つがあげられる。ダイカストマシンの油圧作動油として、燃えにくい難燃性作動油も含める企業もある。
ただ、正確な統計はなく、国内市場は離型剤と潤滑剤を合わせて20億円弱とも、離型剤だけで30億円規模ともいわれる。いずれにしろ作動油を合わせても100億円に届かない市場で、10数社がしのぎを削っている。作業環境の改善を目的に油性黒鉛に代わる水性の離型剤が開発が進むなど、メーカー各社とも新製品の研究開発に余念がない。こうした研究開発費をねん出するためにも事業規模の拡大は重要だろう。
また、メーカーが生き残りを図るためには海外市場の開拓も重要だ。海外の市場規模についても正確な統計はないが、中国やインド、ブラジルといった新興国での自動車生産台数の伸びを見れば当然、成長が期待できるだろう。青木科学研究所はシンガポールに新工場を建設し、周辺のアジア諸国および欧米市場を狙う。税制面で優遇されていることから、本社のシンガポール移転も検討している。
優れた技術力を持つ日本の中小企業が海外に流出するのを防ぐため、わが国政府もさまざまな施策を講じなければならない時期に差し掛かっている。