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海外で過熱する石化原料の争奪戦
大手化学企業が、石化製品の海外展開を加速するため、海外企業に原料ソースを求める動きが加速している。国内はいわゆる六重苦問題に加え、この1年で円高定着やシェールガスの台頭、エネルギー価格の上昇など、事業存続を脅かす構造変化が一段と進行。新たな成長機会を求めるには、海外生産拠点を拡充するしかない状況だ。ただ、アジア地域などで日本企業に基礎原料を供給できる大手化学企業は限られており、日本企業同士による原料ソースの争奪戦が過熱しそうだ。
化学企業は、事業環境の大きな変化を受けて中期経営戦略の見直し作業を進めている。石油化学などのコモディティ製品だけでなく、新エネルギー・情報電子関連といった次世代の主力事業候補についても、事業戦略の再構築が必至の情勢だ。
石油化学工業協会の小林喜光会長(三菱ケミカルホールディングス社長)は15日の記者会見で「先進国市場では高付加価値の機能化学品に特化し、新興国では汎用製品で展開する二面作戦でうまくいくと思っていた。しかし、リーマン・ショックや、中国における素材、太陽電池パネルなどの大増産などを受け、収益環境が大きく変わった」と、化学産業を取り巻く事業環境が激変しているとの認識を示した。
電気化学工業の紳介社長は7日の記者会見で「主力製品はすべて海外で生産し、国内はハイエンド品にシフトする」と語り、生産体制の再構築を進める考えを示した。「もはや国内で生産すること自体がリスク」と、国内に原料ソースを持つ主力のクロロプレンゴム(CR)でさえ海外生産を検討する考えである。
三井化学の田中稔一社長も14日、「高付加価値ポリマー群」「高機能製品群」「フェノール・チェーン製品群」に経営資源を集中する考えを表明した。重点事業を一段と絞り込むことで、ポートフォリオの転換スピードを加速する。
こうした中期戦略の見直しの過程で、各社は収益を上げることが難しい国内での生産規模については縮小を進める一方、成長機会を求めて海外への生産シフトを加速させることになる。このため原料ソースを求め、海外企業と合弁計画を立案する方針が一段と強まると予想されそうだ。
ただ、海外で石化原料を供給できる大手企業は限られている。日本企業がそうした海外企業に殺到すれば、原料の争奪戦が過熱し交渉条件が厳しくなるだけだ。国内における不毛な過当競争を海外に持ち込む前に「日本の化学産業の将来像」を描く視点を持つことを求めたい。