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2012年11月20日 前へ 前へ次へ 次へ

化学品専門商社 新たな成長求め「チャイナ+α」

新興国や中南米など
需要業界の拠点
分散化を契機に

 化学品専門商社の海外事業戦略が新たなステージを迎えている。これまで重点市場と位置付けていた中国に続いて、タイやインドネシアなどの東南アジア諸国、インド、ミャンマー、バングラデシュといったアジア新興国、さらに中南米でも事業基盤を整備する動きが活発化してきた。海外拠点の分散化を進める需要業界の動きに対応しながら、新たな成長市場でビジネス拡大を目指す。
 ここ数年、多くの化学品専門商社は海外拠点の整備を急ピッチで進めてきた。国内市場の伸び悩みに加え円高定着などにより需要業界の海外シフトに拍車がかかり、国内だけでは中長期的な成長は難しい時代になっていることが背景にある。
 とくに各社は中国に経営資源を積極的に投入してきた。エリアも華東、華北、華南地区の沿海部から成都、重慶、武漢など内陸部に広がりをみせている。引き続き「中国が重点市場であることに変わりはない」とする経営者は多いものの、ここにきて東南アジアや中南米でのプロジェクトが目立っている。
 「グレーターチャイナリッチからの転換を図る」。長瀬産業はバランスのとれた事業構造を構築するため米州、欧州、東南アジアでのビジネス強化を当面の重点課題に掲げる。今年春にはナガセシンガポールのバングラデシュ事務所が本格的な営業を開始し、秋にはブラジルに現地法人を開設。メキシコでは東洋クオリティワン、現地メーカーと合弁で自動車シートパッドウレタンの製造販売会社も立ち上げた。
 稲畑産業も「成長する市場に経営資源を積極的に投入する」方針で、メキシコに商事会社、合成樹脂コンパウンドの製造拠点を相次ぎ設立した。同国に集積する日系自動車関連分野を中心にビジネス拡大を目指す。コンパウンド生産では自動車生産の拡大が見込まれるインドネシアやタイでの増強を検討していく。また、同社はミャンマーに駐在員事務所を設置する計画を進めている。
 民主化にともない市場拡大が有望視されるミャンマーでは、昭光通商もインドネシアと並行して拠点設置へ向けた企業化調査(FS)に着手している。CBCはバングラデシュで光学レンズの新工場を完成させ、フルオペレーション体制に入った。
 インドネシアではソーダニッカがジャカルタの現地法人が営業を始めた。鍋林、東工コーセンも現地法人を開設、コニシはFSを開始した。
 タイではプラマテルズ、日曹商事、早川商事、鈴木商館、JSRトレーディング、ダイソーケミカルが現地法人を開設。菱江化学は来年4月をめどに化学研磨液の自社生産を開始する。楠本化成はかねて計画中の拠点開設について13年前半をめどに方向性を出す。
 明和産業はベトナムでホーチミン現地法人を立ち上げ、ハノイ支店の準備も進める。さらに第一稀元素工業とは合弁でオキシ塩化ジルコニウムの製造販売に乗り出す。岩瀬コスファは販売会社を置き、三谷産業はハイフォン市にタンク基地、ハイズン省に化成品工場を建設する。三洋貿易はハノイ事務所の支店格上げを検討中。
 インドではKISCO、三洋貿易が現地法人を設立。中間物商事はグジャラート州で現地メーカーと合弁で医薬中間体などの受託生製造会社を新設した。山本通産も拠点化を見据えてFSに着手している。 (山田耕二)


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