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化学系エンジ企業の事業強化に注目
化学系エンジニアリング企業をめぐる事業環境が大きく変化している。東日本大震災による企業のサプライチェーン再構築、急激な円高、欧州債務危機、ユーザー業界の海外移転などで、化学プラントの国内投資が減少している。今後、各社では新規分野の開拓など独自戦略を推進することで、事業基盤の安定化を図るべきではないか。
化学系エンジ企業の多くは、半世紀前に大手化学会社の設備部門が独立し設立された。親会社の設備投資や保守・点検を主要業務とし、最近はグループ企業以外の外販も増えている。エンジニアリング協会の統計によると、エンジ産業の受注高はリーマン・ショック後に8兆円台まで落ち込んだが、2011年度に12兆円台に回復、12年度も同レベルで推移すると予測。しかし、15年度までの中期予測では海外が大幅増となる一方、国内は微増に止まるとした。
大手専業エンジ企業は、石油化学プラントなど連続式プロセスが得意だが、化学系エンジは塗料、界面活性剤、香料、医薬品、電子材料などファインケミカル系のバッチ式プロセスで強みをもつ。
こうした機能性化学品の用途は自動車や電子部品、日用品などが多い。ユーザー業界ではこのところの円高、デフレ、景気低迷などで国内投資を抑制している。これに加え急速に発展したエンジ産業のIT化が追い打ちをかけている。かつて優秀なエンジニアによるプラント設計作業が、近年は3次元CADソフトによるコンピュータで多くが可能になった。今では化学プラントの設計・調達・建設(EPC)業務は工事会社の仕事となり、業界を取り巻く環境が変化した。ますます化学プラントの新規案件が減っている。
三菱化学エンジニアリングは、従来のEPCに限らず、製品開発の上流から顧客を支援する体制を構築した。同時にライセンスビジネスを拡大し、収益確保を進めている。日曹エンジニアリングも、技術開発研究所のサービスラボを使い、研究開発段階から顧客と関係強化を進め、差別化路線を展開中だ。
東レエンジニアリングは、親会社と連携し、フィルム素材から製造装置までを融合し、新しいソリューションを提供する。AGCエンジニアリングは親会社の素材技術でイオン交換膜、フッ素中空糸膜式エアドライヤーなど独自技術で攻勢をかけている。
国内の化学プラントの設備投資は当面、回復する兆しは見えない。化学系エンジ会社は、親会社との連携強化などで新規分野を開拓し、独自の顧客支援を充実させることで、事業基盤の安定化を急ぐべきではないか。