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2012年10月23日 前へ 前へ次へ 次へ

ヘアケア用品市場 需要喚起へ 「機能」競う

配合成分、処方アピール

 シャンプーやトリートメントなどのヘアケア用品市場で花王やP&Gジャパン、資生堂といった大手がしのぎを削っている。少子化で日用品の国内市場が厳しさを増すなか、各社は配合成分や独自の処方をアピール。宣伝によるイメージ形成に加え、効果を実感できる機能性を前面に押し出す。一方、大手の独壇場だった市場に「ノンシリコン」などを訴求する中小メーカーの台頭も目立つ。
 経済産業省の統計によると、シャンプーとリンス、トリートメント(コンディショナー含む)を合わせた2011年の出荷数量は前年比4・7%減となったが、出荷金額は2224億円で同2・6%伸びた。各社は競争の舞台を高機能商品の開発に移しており、単価の上昇がうかがえる。

※用途ごと細かく提案 花王※
 覇権争いが過熱するヘアケア市場で首位の花王は、家族での利用を想定した「メリット」、独自成分ラノリン脂肪酸でキューティクルケアをうたう「エッセンシャル」、美容意識の高い女性向けに東洋美髪処方でよりきれいな髪に導く「アジエンス」、エイジング(加齢)ケアの「セグレタ」と用途に応じた付加機能の提案に力を入れる。「この商品は髪に何をもたらしてくれるのか」(プレミアム・ヘアケア事業グループの平林有リージョナルブランドマネジャー)という顧客意識が高まっているためで、きめ細かな対応に商機があるとみる。

※トリートメントに力 P&G※
 2位のP&Gジャパンはブランド別でシェア首位を続ける「パンテーン」のさらなる強化に乗り出す。今春には約2年ぶりにブランドを全面刷新。プロテインの配合量を増やすなどして機能性を高め、トリートメント製品の拡充を進めた。洗い流さないタイプのトリートメント市場は5年前に比べて約4割拡大しており、「まだまだ伸びしろは大きい」(坂井冴子パンテーンブランドマネージャー)。世帯浸透率の向上が見込めるトリートメントの拡販を契機に、シャンプーなど関連商品の売り上げ拡大につなげる戦略だ。

※素材にこだわり改良 資生堂※
 3位の資生堂は「家族1人ひとり、好みに合った自分だけのマイシャンプーを持つ世帯が増えている」(ヘア・メンズ・ボディブランドユニットの片岡誠ブランドマネージャー)と指摘。06年の発売から累計2億7000万本を出荷するメガブランド「TSUBAKI(ツバキ)」を昨年6月に改良。収穫時期や精製方法にまでこだわった長崎県産の椿オイルを新たに加えた。髪のツヤや保護を重視し、主要顧客である?代女性のニーズに応えている。
 4位のユニリーバ・ジャパンを含めると、上位4社のシェアの合計は7割を超える。ただ、寡占化が進む市場に新たな切り口で需要を刺激する中小メーカーも見逃せない。

※ノンシリコン系台頭※
 代表格のジャパンゲートウェイ(東京都千代田区)はノンシリコン系の「レヴール」や「スリーボム」、スカルプケアの「リガオス」や「スカラボ」など多数のブランドを展開。ここ1年でシェアを急速に伸ばし、今後も効果的な策を打ち出せるかが注目される。
 ヘアケア用品は衣料用洗剤に次ぐ日用品の基幹分野なだけに、消費者との関係強化がますます欠かせなくなる。購買意欲をくすぐるためには、さらに半歩先の技術開発に取り組むことが求められそうだ。(高橋篤志)


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