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円高背景に拡大するASEAN投資
円高や電力制限を引き金にして空洞化問題が取り沙汰されるなか、海外投資、とりわけASEANへの投資拡大が目立っている。加盟国全体で6億人超の人口と1兆8000億ドル台に拡大したGDPを持つASEANの消費市場が伸びていることも大きな要因だが、2015年をめどに発足を目指しているASEAN経済共同体(AEC)を通じた環境整備と周辺市場への面的な広がりの潜在性が投資を呼び込む背景になっているといえそうだ。
日本貿易振興機構(ジェトロ)によれば、リーマン危機後、ほぼ拮抗していたASEANと中国への日本からの投資は、10年からASEANが抜けだした状況にある。11年のASEANへの直接投資額は1兆5485億円で前年比倍増と急伸、中国向け(1兆149億円)を大きく上回った。タイやインドネシアなどASEAN主要国向けの投資はいずれも過去最高を更新している。
東日本大震災で浮き彫りになったサプライチェーンの断絶は、その後、産業界での調達・購買システムの再構築の動きにつながっているほか、自動車をはじめとした消費財市場の拡大がASEANへの投資の伸びにつながっているようだ。
注目されるのは、洪水被害の影響が大きかったタイだが、投資額は前年比2・8倍の5575億円に急増した。ジェトロでは洪水被害にともなう保険金支払いに備えた資金供給もあるとしながら、日本企業による投資意欲は衰えていないという。
一方、ユドヨノ政権下で堅調な経済成長が続いているインドネシアは、年比でほぼ7倍の2875億円に急伸している。その一端を示すのが自動車市場の拡大で、今年は100万台の大台乗せが見込まれている。こうしたなかで、グループ企業のダイハツと合わせて50%強のシェアを持つトヨタ自動車は現在、第2工場の建設を進めており、13年初めには稼働させる計画。第1工場と合わせた生産台数は年間30万台に増強される。
また、三菱自動車も今年半ば、小型SUV(スポーツ用多目的車)の生産を開始したほか、日産自動車も年には低価格ブランド車「ダットサン」の投入計画を進めている。1人当たりGDPが3000ドルを突破した購買力の向上が、各社の投資拡大を呼び込んでいる形だ。
ASEANへの投資拡大は、AECとしての経済圏の成長とその周辺市場への広がりをとらえたものといえそうだが、電力問題の先行きがみえない国内生産とともに、日本からの輸出が円高で大きく競争力を低下させているなかで、今後とも増勢基調が定着しそうだ。