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2012年09月25日 前へ 前へ次へ 次へ

復興に貢献するコンクリート混和剤

 東日本大震災の復旧・復興需要が動き出し、道路や護岸の整備が本格化したことでコンクリートの供給が不足している。生コンはもとより、骨材となる砂や砂利もひっ迫した状況が続いているという。このため価格の上昇が続いている。
 経済産業省の調べによると、今年1-6月のセメント出荷量は、前年同期比8%増。セメントを用いて作るコンクリート製品では、遠心力鉄筋コンクリート製品が同3%増、護岸・道路用製品が6%増、気泡コンクリート製品が6%増となった。
 コンクリートはセメント、骨材である砂、砂利、水を混ぜて作る。これにコンクリート用化学混和剤を加えることでコンクリートの凍結・溶解耐性を高めたり、流動性を改善することができる。コンクリート全体からすれば、わずかな添加量だが重要な役割を担っている。
 日本初のコンクリート用化学混和剤として「AE剤」が1950年に導入された。翌年には減水作用を持ったリグニンスルホン酸塩を主成分とした「AE減水剤」が導入され、現在も混和剤の主役を担い続けている。さらに、多様化する要求性能に応え「AE減水剤高機能タイプ」や、高流動コンクリート・高強度コンクリートに必要不可欠な「高性能AE減水剤」なども販売されている。
 復旧・復興需要でコンクリートの需要が増えたことから、骨材となる砂や砂利が不足しており、一部には海砂も使われているという情報がある。海砂の塩分はコンクリート内部の鉄筋にダメージを与える。混和剤のなかには、この塩分から鉄筋を守るために開発された防錆剤(腐食抑制剤)もあり、数社から販売されている。
 東日本大震災の経験も加わり、以前にも増してコンクリート構造物の耐久性向上、長寿命化の要請が高まっている。また、最近のコンクリートは、フレッシュ性状の維持や収縮低減対策以外にも、環境に配慮したフライアッシュや高炉スラグ、再生骨材などの有効利用も進んでいる。混和剤メーカー各社は、技術開発力のさらなる向上に取り組み、コンクリート性能の向上に寄与する混和剤を提供することで、コンクリート市場で求められるニーズに応えることを期待したい。
 一方、行政サイドの取り組みとしては、国土交通省が新技術活用システム(NETIS)に登録された約1900件の技術を、震災復旧・復興に資するものとしてホームページで公表している。そのなかにはコンクリート関連の製品も掲載されており、こうした情報が有効に活用され、被災地域の早期かつ強靭な復旧・復興を望みたい。


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