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"再発明"で新たな変革に挑むIBM
創業101年を迎えた米IBMが新たな変革に挑んでいる。膨大な市場データを分析して得られた結果を真摯に受け入れ、組織も個人も"再発明"に取り組むことが持続的成長につながるとの経営方針を打ち出した。不況期にも利益を確保した同社のビジネスモデルは世界の産業界に多大な影響を与えてきた。内憂外患の日本企業にとっても有用なベンチマークになろう。
IBMは画期的なビジネスモデルで成長し続けてきた。「e‐ビジネス」「スマーター・プラネット」など、当初はわかりづらかった経営戦略も数年後にはしっかりと浸透し、日本の大手企業も業種を問わず導入してきた。現在は弊害も指摘される事業部制もベースをつくったのはIBMである。
世界経済が低迷している今、ITバブル崩壊後にも業績を堅持したIBMのビジネスモデルに対する注目度は高い。その同社が2015年に向けた経営目標達成のために最も重視するキーワードが"再発明"である。売れる新製品を出すだけでは満足せず、さまざまのデータを分析した結果を踏まえて業務プロセスを再発明し、具体的な成果を継続的に生み出すことが肝要とする。
だが本当に大切なのは、課題を共有しつつ社員個々が自らをつくりかえる再発明に努めることである。これまでとは違う取り組みがなぜ必要なのか、市場が求めるスキルをライバルよりも先に獲得できるか。こうした努力を継続せねばならない。
市場の分析結果を素直に活かすことはあらゆる面で大きい。同社が売上高110億ドルのパソコン事業から撤退したのは、汎用化が進み長期的な成長が難しいとの判断があった。変化をみながら事業構造を変えていくことは安定成長につながる。日本は円高や高い法人税、エネルギー制約などのハンデに加えて、安価な中国や韓国製品の攻勢にさらされている。IBM流の割り切った選択と集中はベンチマークの一つといえる。
同社のもう一つ特徴は、長期的な視点を重視することである。多くの米企業は、3カ月ごとの業績ばかりを気にするようだが、世界経済の先行きの難しさを反映して長期的な視点も重視せざる得なくなった。さらに生産性を向上するにはコストダウンだけでは追いつかず、多様な業務プロセスの標準化と統合が欠かせなくなっている。「手作業の工業化にほかならない」とするクラウドコンピューティングは、その効率性からますます普及していく見通しである。
不断に"再発明"を行うIBMのDNAが長期的にいかに定着し、どういう成果を生むのか注目したい。