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2012年09月20日 前へ 前へ次へ 次へ

【連載】「脂肪」にターゲット 各社のトクホ戦略(上)

リスク認知度向上で成長

 中性脂肪や体脂肪に焦点を合わせた特定保健用食品(トクホ)の製品が相次ぎ市場に登場している。生活習慣病に対する消費者の認知度向上、多様な販売ルートの活用など消費者の購入シーンを広げるメーカーの取り組で、脂肪低減への潜在需要を掘り起こす機運が高まっている。女性をターゲットにダイエットニーズを刺激するマーケティング戦略も加わり、トクホを牽引する市場環境が整ってきた。(高橋善治)

※整腸に次ぐ市場規模※
 日本健康・栄養食品協会がまとめた特定保健用食品市場規模調査によれば、2011年は全体で約5175億円。東日本大震災の影響により前回調査(09年)に比べて成長性は確保できなかったが、中性脂肪・体脂肪用途は3・8%増と回復基調にある。中性脂肪・体脂肪は整腸に次ぐ2番目に大きな市場となっており、1107億円に達する。保健機能に関与する成分は茶カテキン、難消化性デキストリンなど12の関与成分、70品超の食品が許可されている。

※生活改善のツールに※
 体脂肪の場合、「かくれ肥満」という体重に関係なく高い体脂肪率の場合健康を阻害するリスクとして認知されてきたことが対応製品の市場活性化を促してきた。厚生労働省よると、生活習慣病関連の医療費は一般診療費の約3分の1を占める。食習慣、運動不足、喫煙、飲酒などが関わり進行すれば糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞などにつながるリスクが高い。内臓脂肪過多や血中中性脂肪の値が高いことは、こうしたリスクをさらに押し上げる可能性がある。そこで、生活習慣病予備群の段階で習慣の乱れを改善するための保健指導が重要になってくる。いわゆるセルフメディケーションをうまく実行させることにある。
 保健指導ではカウンセリングを通じ受診者とともに改善目標を決めたり、思い込みを指摘できる能力が求められる。その際、健康に対する機能表示ができるトクホは改善に向けた行動へと受診者の意識を大きく変える機会提供に有用なツールになり得る。一定期間続けて摂取して数値が改善すれば、トクホが示す機能は消費者に理解されることになる。

※薬局ルートを生かす※
 市場でこうした流れを作り上げてきたのが大正製薬。スイッチOTCからトクホまでの品揃えにより、生活者のライフスタイルと症状に応じたセルフメディケーションのサポート強化を図っている。科学的エビデンスを追求し、これに基づき開発された健康ケアのための「Livita」ブランドからトクホ製品10品目を揃える。
 今夏には新たに脂肪の吸収を抑えるコーヒー豆マンノオリゴ糖を配合した「ファットケア スティックケア」と、血中の中性脂肪を低下させるカンキツ類に含まれるモノグルコシルヘスぺリジンを配合した「ミドルケア 粉末スティック」の2品を戦列に加え脂肪関連分野に参入した。
 同社は生活習慣病予備群が抱える問題に対しソシューション提案型のマーケティングを展開。薬局・薬店ルートの太いパイプを生かし、薬剤師や管理栄養士などのカウンセリング機能を高めてもらう販売の工夫を促したり、生活習慣病予備群に味の体験機会を提供するなど理解をさらに深め、体脂肪や中性脂肪対応品でも購入リピーターの拡大につなげていく。


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