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外資が魅力を感じる事業基盤整備を
海外の有力企業を誘致することで、日本経済の活性化が期待されている。外資系企業にとって日本の魅力は、市場や顧客の規模と質の高さ、インフラの整備などがある。一方でビジネスコストの高さ、市場の特殊性が事業展開の阻害要因となっている。かねてから指摘されてきたことだが、改善が進まない。化学・医薬品産業は、外資系企業のプレゼンスの高い業種で、これからも重要な役割が期待されている。活躍の機会を広げるためにも、阻害要因の解消に向けた取り組みが急がれる。
経済産業省の「外資系企業動向調査」は、外国投資家の持分比率が3分の1超の企業を中心に実施している。このほど公表された2011年3月末時点の調査では、集計企業は約3000社、米国系29%、欧州系43%、アジア系22%という構成比となった。アジアの比率が上昇する一方、米国は1・3ポイントの低下、欧州が横ばい。新規参入企業は対前年比56%減と低迷した。
金融・保険業、不動産業を除いた外資系企業の売上高は36・1兆円、前年比10%増、経常利益は1・7兆円、同22%増と順調に拡大した。このなかで化学企業の売上高は1・2兆円、経常利益は1020億円、同じく医薬品企業は2・5兆円、2610億円となっており、製造業では輸送機械や情報通信機械と並んで、外資系企業が活躍している業種である。設備投資や研究開発にも積極的で、国内の化学・医薬品産業に与えるインパクトも大きい。
外資系企業の日本への魅力は「所得水準が高く、製品・サービスの顧客ボリュームが大きい」「インフラが充実」「製品・サービスの付加価値や流行に敏感で、競争力が検証できる」が圧倒的に高い。化学に限るとインフラ、競争力検証、顧客ボリュームに次いで「グローバル企業の集積」が続く。医薬品では顧客ボリュームが4分の3を占め、インフラが続く。
外資系企業が日本で事業展開するうえでの阻害要因としては、70%以上の企業が「ビジネスコストの高さ」を指摘、続いて「日本市場の閉鎖性、特殊性」「人材確保の難しさ」となる。ビジネスコストは化学、医薬品企業も1位だが、化学の2位は「ユーザーの要求水準の高さ」、医薬品では「規制・許認可制度の厳しさ」と、直面している障害に違いが出る。
外資企業が中国などアジアの成長市場への投資を拡大することは避けられないものの、日本市場は規模も含めて魅力を失っているわけではない。それだけに高コスト構造を、規制緩和や税制改革などの政策努力によって改善しなくてはならない。