2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む
新産業創出にIT活用の基盤整備を
IT(情報技術)はあらゆる産業に浸透し、多種多様かつ大量のデータを取得、蓄積してきた。このデータを分析して価値を見いだすことでイノベーションを促進、社会や経済の活性化への貢献が期待されている。IT活用は企業の競争力だけでなく、国家間競争で勝ち残れるかのカギを握っているといっても過言ではない時代である。
このような認識に基づいて、経済産業省が立ち上げたのが「IT融合フォーラム有識者会議」だ。未来に関するより正確な知見を得て、政策決定や企業経営に活用できれば、リスクを最小化するとともに価値創出の機会を最大化できる。一方で、これまでのデータは産業、企業、組織ごとの縦割りになりがちで、その壁を取り払わないと価値創出は限定的になる。行政、産業界、アカデミアなど幅広い業種・異分野連携が不可欠だ。
これまでもITを活用した新産業創出の向けた技術開発は実施されてきた。レセプト情報、定期検診などの健康情報を収集・データベース化して、症状に応じた適切な治療法を実施しようとする取り組みも始まっている。この過程で課題になるのは個人情報に取り扱いだろう。農業の効率化を目的に地理空間情報や気象データを蓄積して、その土地で最も適した作物を選択する実証事業も行われているが、効率化を可能にする多様なデータ整備は容易でないという実態も指摘されている。
実証実験を通じて、経済活性化につながる公共データ開放のあり方、二次利用の際の著作権や利用許諾などのルール作りも必要である。個人情報やプライバシーには慎重に対応すべきだけに、データのセキュリティ対策も重要だ。データ流通を円滑化する社会システム設計の検討も急務という。このほか、多種多様なデータの効率的収集や分析のために技術基盤整備、IT人材育成も多くの関係者が指摘している。
本格的に活動を始めるIT融合フォーラムは、(1)交通情報(2)ヘルスケア情報(3)農業情報などを活用して都市交通分野、ヘルスケア分野、農商工連携分野における新サービス創出を重点分野に位置付ける。エネルギー・環境分野のビジネスマッチングも積極的に進める。
ITの活用は多岐に広がっており、すべての実証事業を政府主導で行うことは現実的でない。府省間や官民の連携がないままに開発が進むことによるムダも懸念される。さらにIT技術におけるスピードにいかに対応するかも大切になる。個別の実証事業の成果を横断的・共通の課題解決に結びつけ、世界をリードできるITサービス産業創出を期待したい。