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2012年09月12日 前へ 前へ次へ 次へ

国内触媒市場 成熟用途で明暗


自動車用= 排ガス規制強化受け伸長
石油精製用=製油所統廃合で競争激化

 国内の触媒市場は、成熟化した用途で明暗が分かれている。自動車生産の回復を受け、自動車用触媒の出荷量は伸長。排ガス規制強化の動きはガソリン車やディーゼル車から建設機械に拡大し、確実な需要が見込まれる。一方、最大用途の石油精製用触媒は石油製品需要の伸び悩みが響き出荷量が大幅に減少。製油所統廃合の動きもあり、この流れに歯止めはかからないだろう。日本の触媒市場はグローバル企業がひしめく。アジアを中心とした海外に主戦場が移るなか、機敏な対応力が試される。

※建設機械も対象に※
 自動車用触媒は排ガス規制強化を背景に拡大基調を続けてきた。とくにトラック・バスなどのディーゼル車は窒素酸化物(NOx)排出規制が段階的に厳しくなり、さらに2016年の「ポスト・ポスト新長期規制」で一層強化される見通し。これにともない触媒使用量が大幅に増えるのは確実だ。
 さらに建設機械も昨年から日本、北米、欧州で排ガス規制が強化され、触媒需要の広がりをみせている。14年の「ティア4B規制」により建設機械にもNOx低減触媒が必要となるため、さらなる需要拡大が期待できる。
 東日本大震災の影響で自動車の生産が減少、自動車用触媒の出荷もいったん落ち込んだものの、その後は回復し高成長を継続。経済産業省の統計による今年1ー6月の自動車排ガス浄化用触媒の出荷量は前年同期を35%上回った。
 エコカー補助金制度の終了にともなう反動減が予想されるが、「自動車メーカーの生産計画をみる限り、その懸念はない」(自動車用触媒メーカー)。少子高齢化で日本の自動車市場が縮小するものの、排ガス規制強化が触媒需要を牽引する。
 こうした動きを背景に、各社の視線はグローバル展開する日系自動車メーカーの動きに注がれている。BASFやユミコア、キャタラーといった世界の自動車用触媒大手が対応を強化。ユミコアは共同で自動車用触媒を製造・販売してきた日本触媒と新たな合弁会社を設立。BASFもグループのエヌ・イー ケムキャットとの連携のもと、日系自動車への対応を強める。

※開発要求は厳しく※
 自動車用触媒と対照的なのが石油精製用触媒。1ー6月の国内出荷量は前年同期に比べて34%減った。少子高齢化を背景に国内市場の伸びが見込めないという点では自動車用触媒と共通しているが、需要を下支えする動きがないことが響いている。
 一方、サルファーフリー(超低硫黄)軽油や原油重質化、プロピレンリッチ化への対応など、FCC(流動接触分解)触媒やHTC(水素化分解)触媒への要求は高まるばかり。これに対応し各社は新規触媒の開発にしのぎを削っている。
 FCC触媒では国内トップシェアの日揮触媒化成のほか、アルベマールなどグローバル企業が早くから日本市場で事業を展開しているが、中国石油化工(SINOPEC)が数年前から日本市場にFCC触媒を投入。これによって「競争は激化した」(石油精製用触媒メーカー)。
 今後は海外市場を狙った動きが一層加速する。グローバルネットワークを持つ外資系はもちろんのこと、日揮触媒化成にもグローバルにエンジニアリング事業を展開する日揮との連携を強めていく。 (児玉和弘)


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