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2012年07月26日 前へ 前へ次へ 次へ

空白の朝鮮史を埋める努力を

 何度も繰り返されてきた光景だが、日本と中国、韓国との関係がきしんでいる。日韓では従軍慰安婦問題のほか、軍事情報保護協定の署名が先送りされた▼日本が初めて海外に派兵した7世紀の「白村江の戦い」の時代から、日本と中国、朝鮮との関係は微妙なバランスに成り立ってきた。中国が朝鮮半島を支配すると、日本への圧力が強まる。逆に中国と朝鮮が対立関係になると、朝鮮は日本に支援を求め協調体制が成立する▼目下の焦点となっている日中韓FTA交渉も、このパターンようだ。市場としての魅力を高める中国とは前向きに交渉を進める韓国も、日本との交渉は消極的である。締結しても対日輸出増は期待できないばかりか、貿易赤字が拡大するという読みが背景にある▼日韓は近くて遠い関係とされてきた。この原因に日本人が朝鮮の歴史を学んでこなかったとの指摘がある。このことは、高校の世界史教科書に目を通すと分かると言われた。確かに山川出版社の「詳説世界史」を読むと、欧州、アラブ、中国などに比較して朝鮮半島の記述は圧倒的に少ない。ようやく19世紀後半から増えるが、わずか数行にとどまる▼日本史の教科書における朝鮮の扱いとは雲泥の差だ。これは朝鮮史を専攻した歴史学者の少なさにも起因するらしい。この空白を何とかしたい。


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