成長するアフリカへの期待と課題
日本企業のグローバル展開が加速している。成長を続ける中国、ASEANからインドや中東に広がり、最近はアフリカに注目する企業も増えている。10億人を突破したアフリカの人口は、2030年に15・6億人、50年には倍増して21・9億人と推定され消費市場とともに、豊富な天然資源を有することで社会インフラ輸出市場としても期待できる。経済産業省の産業構造審議会貿易経済協力分科会では、官民連携によるアフリカビジネスのあり方の議論も始まっている。
途上国の年間3000ドル以下の所得層は、ピラミッドの底辺部門に見立て「BOP」と呼ばれる。3000ドルを超えると有力市場となるが、同時に競争も激化する。このため世界の有力企業は将来市場としてのBOP層に注目、戦略的な事業展開を進めている。
アフリカで1人当たりGDPが1万ドルを超えているのはリビアなど3カ国のみだが、比較的人口の多いアルジェリア、チュニジア、モロッコ、エジプトなどの北アフリカのほか、ナイジェリアや南アフリカなどは経済発展によってBOPビジネスの有力市場となりつつある。
アフリカの豊かな資源も注目されている。石油資源に加えて、原発事故を契機にLNGの供給基地としても存在感を高めている。金属鉱物資源ではクロム、コバルト、ダイヤモンド、プラチナ、タンタル、バナジウムなど鉱石生産量の上位にアフリカ諸国が顔を並べる。
製造業は南アフリカに自動車関連産業が進出しているが、欧州企業に比べると出遅れている。それでも、住友化学がタンザニアで行っているマラリア予防蚊帳の製造販売は、わが国のBOPビジネスの成功モデルとなっている。またエジプトでは味の素が調味料販売、ユニ・チャームが紙おむつの製造・販売の乗り出すなど日本商品の市場として期待が高まっている。
社会インフラ市場としても成長が見込める。20年までに電力、鉄道など交通インフラなどの投資は約680億ドルと予測されている。また05年から30年までの世界のインフラ投資は約41兆ドルと推定されるなか、アフリカは約1・1兆ドルという予想もある。その内訳は電力が約半分、鉄道・道路が約3割、水関連約2割とされる。
アフリカビジネスを展開するうえで、産業界は日本の政府開発援助(ODA)が縮小したことが障害になっているという不満が根強い。また、アジアなどと比較すると、情報ネットワークの整備も遅れているという。これから始める経産省の議論では、産業界の意見を反映させた戦略策定を望みたい。