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2012年06月27日 前へ 前へ次へ 次へ

エンジ産業発展に不可欠な人材育成

 エンジニアリング産業はグローバル化に対応できる人材育成に力を注いでいる。エンジビジネスが先進国中心から、新興国や資源国にシフトするなか、海外企業との受注競争が激化、優れた人材確保が重要な経営課題となっている。エンジニアリング協会では、国際化を視野に入れた教育プログラムの充実を急ぐ。並行して、新興国の政府関係者を対象とした新しいプログラムを企画、エンジ産業への理解を深める活動を強化する。
 エンジ産業は、知恵と技術が織りなす究極の知識産業とされ、それを担う人材が事業継続に欠かせない。エンジ協会では、30年以上前からプロジェクトマネージャー(PM)を対象に実務習得コースの各種教育プログラムを実施してきた。
 主力の「PM実務習得コース」に加え、2年前からは「PM基礎習得コース」「PM短期専門コース」を追加。前期は企業側からの要望が多い「出前コース」も新設した。対象は新人や若手などのPM候補、現役PMの再教育まで幅広い。このほか、学生向けの各種セミナーも企画している。
 その一方、日系企業が海外市場の強化を掲げるのに対応して、現地子会社スタッフのレベルアップも支援している。すでにタイ、マレーシア、フィリピンで日系エンジ企業の現地スタッフを主対象に人材育成プログラムを進めてきた。今年度はインドネシアでも行う。
 さらに、今期はベトナムとミャンマーで、現地の公務員を対象に「プロジェクト&プログラム マネージメント」(P2M)と称した教育プログラムを計画している。これまではビジネスマンが対象だったが、政府関係者にも広げる。産業基盤の整備が遅れている新興国では、政府自ら、社会インフラ整備の詳細を決めて発注するケースが多い。大規模プロジェクトを発注できるだけの能力を有する民間エンジ企業が育っていないことが背景にある。
 このためエンジ協会としては、持続的な経済発展やエンジ市場を健全に育成するため、国家政策に携わる官僚にエンジ産業の果たすべき役割などの理解を得ることが必要と判断した。こうした活動によって、現地のプロジェクトの情報交換が可能になるという効果が見込める。
 先進国経済の低迷を尻目に経済成長を遂げる新興国。現在、日系エンジ企業は、韓国勢や中国勢の攻勢で苦戦を強いられている。厳しい競争に勝ち残るためにはグローバル人材の育成が急務である。同時に新興国に対する人材支援を通じてパイプを太くする。日本のエンジ産業の競争力を立て直す方策として成果を期待したい。


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