ベルギー経済ミッションに学ぶこと
「(欧州の大国である)英独仏には圧力を感じるが、ベルギーには余裕を持てる」。1990年代後半に同国で投資を決めた企業トップの発言が記憶に残る。石化産業がアントワープに集積し原料の安定調達が可能ということもあって、日本の化学会社の生産拠点となった▼11日からフィリップ皇太子が率いるベルギーの経済ミッションが訪日、精力的に活動している。東京では、同国の製薬企業であるヤンセンファーマの新規投資、ジャパンワクチンの設立、UCBジャパンの本社移転イベントに皇太子自ら立ち会った。一方、マチルド皇太子妃は仙台など被災地を訪問する傍ら、若手社会企業家と懇談した▼今日からは関西に移動して、パナソニック訪問、日本触媒とユミコアの合弁20年を記念した昼食会を催す。そして夕方はビールイベントに参加する。明日は京都で希少資源に関するワークショップと続く。日程の一部だが、このひたむきさが、ベルギーファンを増やすのだろう▼ベルギーの国土、人口は日本の10の1程度だが、1人当たりGDPはほぼ同水準。政党が乱立して政治が安定しないという共通点もある。人件費の上昇で生産拠点としての魅力は低下したという指摘があるが、IMECを先頭に先端研究で存在感を高めている。学ぶべきことの多い国の一つである。