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2012年05月29日 前へ 前へ次へ 次へ

宇部興産 チャルニヤ常務執行役員に聞く

宇部興産チャルニヤ常務執行役員.jpg 【バンコク=渡邉康広】宇部興産は、タイのカプロラクタム(CPL)?ナイロン樹脂チェーンの製造販売拠点ウベ・ケミカルズ・アジア(UCHA)の株式25%をPTTグループであるIRPCに譲渡することを決めた。CPLやブタジエンゴム(BR)の次期増設を視野に入れる宇部興産にとって、競争力の高い事業基盤と原料を同時に確保するのが狙いだ。タイのほか他のアジア地域も統括するチャルニヤ・ピチットクン常務執行役員・アジア統括部長に今後の展望を聞いた。
    ◇
 ― UCHAにIRPCが出資参画することで、どのようなメリットが期待できるのか。
 「UCHAは元々IRPCの前身であるタイ・ペトロケミカル・インダストリー(TPI)と合弁でスタートした経緯もあって、IRPCの工業団地にある。このため今もタンクやジェッティ、ユーティリティー、原料などについてIRPCからサービスを受けている。PTTグループであるIRPCが出資参画することでこれらのサービスの一段向上が見込まれるほか、操業の効率化なども期待でき、メリットが大きいと判断した」

 ― 25%の株式はIRPCが決議権を持つことになるが。
 「取締役は全部で12人だが、このうちIRPCから3人が派遣されてくることになる。石油精製から石油化学まで統合された事業体を展開するIRPCが経営メンバーの一部に参加することで、相互に良い部分をシェアできる」

 ― CPLの次期増設は。
 「第2期は早くて2016年の稼働を想定している。生産能力はCPL年15万トン、硫酸アンモニウム(硫安)60万トンを見込んでおり、原料にフェノールを用いる製法を採用する予定だ。投資額は6億―7億ドル程度を予想しているが、詳細は詰めている段階だ」
 
 ― 既存のCPL第1期設備は粗原料シクロヘキサンをマプタプットから船で運んでいるが、PTTグループとパイプラインでつなぐ計画は。
 「パイプラインで結ぶことを検討したこともあったが、マプタプット工業地区とは25キロメートル離れており、パイプラインを建設するのは経済的ではないと判断した。IRPCの工業団地は港も万全に整備されており、全く問題はない」

 ― インドやインドネシアなどタイ以外での事業拡大策は。
 「インドでは今年7月からニューデリー事務所が活動を開始する予定だ。またグループ製品の需要が高まっているインドネシアでも事務所開設を検討していく。現在CPL第1期から生産される硫安は農業国タイの内需向けが主体だが、インドネシアなど農業国が多い域内需要拡大をとらえ、CPL第2期から生産される硫安は輸出を拡大させる計画だ」

 ― PTTグローバルケミカル(PTTGC)はマレーシアのRAPID計画に参加しフェノールチェーンを生産する計画だが、宇部興産としてCPLをマレーシアで生産する可能性は。
 「それは現段階で考えていない。次期CPLをタイで投資するのは不変だ。IRPCがパートナーであるため用地の融通なども柔軟に進められる。IRPCと一体となって地域住民との交流も拡大させており、タイ社会・経済に貢献していく」


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