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2012年05月22日 前へ 前へ次へ 次へ

子ども人口時計の衝撃

 民主党政権が掲げた公約達成はほとんど国民の関心から乖離してしまった感がある。子ども手当も迷走を続けた挙句、児童手当へ回帰し、「社会全体で子どもを育て、少子化を食い止める」という理念は雲散霧消している▼東北大学の吉田浩教授(加齢経済学)らが制作している"子ども人口時計"
は、日本の少子化の状況を映しだす。この時計で将来を推定すると、36万5000日後には子ども数がたった1人になる。「1000年後、3012年の5月5日の子どもの日は来ない」という▼今年5月時点の子ども推定数は、ほぼ1662万人、去年から30万人の減少。10年前に比べると、福岡市の人口に相当する155万人も減った。およそ100秒に1人の速さで子どもが減少している▼2010年の出生率は1・39と前年からわずかに持ち直した。人口の維持には2・07の出生率が必要とされるが、1975年以降は2を下回っている。この間、「国の未来」を語るとき、最も大切なことが放置されてきたという事実は重い▼一部に明るい兆しもある。乳児の養育手当や医療負担など手厚い支援をしている江戸川区は、23区内で最高の出生率を維持している。地域の戦略的な政策が奏功した例だ。確かなことは、少子化の危機の回避に残された時間は少ないという事実である。


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