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2012年03月21日 前へ 前へ次へ 次へ

ギリシャ生まれの小泉八雲

 米国でジャーナリストとして活躍し、40歳のときに出版社の通信員として日本に来たパトリック・ラフカディオ・ハーンは、島根県松江市の士族の娘・小泉セツと結婚した後、帰化して小泉八雲と名乗る。彼がギリシャ生まれというのを最近知った▼母親がギリシャ人で、幼少期は父親の母国アイルランドで過ごし、フランスや英国で教育を受けた後、20歳で渡米しているので、ギリシャは出生国に過ぎないようである。しかし日本とギリシャとの何か因縁めいたものを感じる▼古事記にある「八雲立つ出雲」は、神々のふるさと「出雲」の神話的な世界を表現している。ギリシャも神話で有名な国であり、母親から受け継いだギリシャ人としての血や遺伝子が、ハーンを日本の神秘的な側面や文学に傾倒させたのかもしれない▼深刻な財政赤字の発覚から国債発行が困難になったギリシャへの支援問題はヤマ場を越えた。しかし財政再建に向けた緊縮策だけでなく、非効率な公的部門の民営化、構造改革、貿易赤字の解消など課題は山積している▼GDPに占める公的債務比率では、日本はギリシャを上回る。ギリシャ問題を他山の石として、日本もあらゆる改革を急がねばならない。ギリシャが神がかり的な現状打開を成し遂げることができれば、またとない手本になるだろう。


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