外需依存度を強める産業機械の受注
産業機械業界の2011年度受注合計は、リーマンショック前の6兆円台の大台を回復する見通しだ。過去2年間は4兆円台で低迷したが、11年度は海外の超大型受注に成功したことで押し上げる。しかし12年度は、継続する円高や、大型案件が見当たらないことから2ケタ減を見込む。外需の動向次第で受注金額が大きく振れる傾向が強まってきた。
日本産業機械工業会がこのほど公表した11年度受注見通しは、6兆844億円(前年度比28・2%増)と大幅増を達成する。うち内需は3兆1691億円(同7・7%増)。これに対し外需は2兆9153億円(同61・6%増)、外需比率は47・9%に上昇し5割に迫る。
内需は東日本大震災の影響があったものの、製造業の底堅い設備投資、電力不足による緊急電源への対応、復興需要などが伸びた。一方、外需は中国向けに減速感があるものの、アジア全域で増加し、北米や欧州向けが低水準ながらプラス成長。なかでも日揮と千代田化工建設がオセアニア向け天然ガス関連の超大型プロジェクトを受注したため過去最高を更新する。
これまでカタールやサハリン向け天然ガス関連大型プロジェクトを受注した実績はあるものの、総額1兆円超のオセアニア案件は、日系産業機械企業にとって過去最大となる。 しかし、12年度受注見通しは、合計5兆4350億円(同10・7%減)にダウンする。前年度の反動減と、超円高の継続で受注環境が厳しさが増し、再び6兆円を割り込む。
12年度受注のうち内需は、3兆1983億円(同0・9%増)を見込む。民需は自家発電設備の増設や、省エネ・省力化投資が増えるが、海外生産シフト、国内での大型投資の抑制、緊急電源対応も減る。ただ被災地のインフラ基盤整備、がれき処理需要が底堅く、微増を予測した。外需は2兆2366億円(同23・3%減)と落ち込むが、新興国や資源国の好調な資源・エネルギー分野の投資が支える。ただ円高の影響は大きく、受注環境はいぜん厳しく、大型受注の反動減という要因が加わり減少する。
産業機械受注は、これまで内需が全体を底上げして、外需比率は3割強に止まっていた。しかし11年度に外需が5割に迫ったことから、外需依存の傾向が強まりつつある。その一方で、機械メーカーは今後も超円高が続くと予想しており、受注競争の激化などで、来期は大幅減を覚悟する。機械業界が継続的に成長するためには、新興国向けボリュームゾーンをターゲットとした価格設定と製品の絞り込みなどの戦略が問われる。