石油業界 『ポスト高度化法』見据え始動、アジアで・実態調査
石油業界の『ポスト高度化法』を見据え、官民が動き始めた。石油製品の小売業者による全国石油商業組合連合会(全石連)は昨年、韓国に視察団を派遣し北東オイルハブ構想による日本市場への影響を調査。石油連盟と資源エネルギー庁は、シンガポールでアジアの石油製品需給の実態把握を行った。日本の石油産業が過剰設備の解消後、アジア市場で占めるべき位置を探るもので、自由市場における安定供給確保へ向けた取り組みは新たな段階に入る。
国内の原油処理能力は日量約450万バーレル。燃料油内需は1999年をピークに減少を続けており、同100万バーレル程度の能力が余剰となっている。09年に成立したエネルギー供給構造高度法は、実質的に石油精製各社に対して能力削減を義務付けたもので、実施期日である2014年3月末までに余剰分に相当する規模の能力が削減されることになる。
ポスト高度化法を考えるうえでポイントとなるのが製品輸入。連産品の宿命である製品間の生産と内需のアンバランスの解消に対し、能力過剰の下では内需を賄ったうえで可能な限り余剰分を輸出するせざるを得ない。しかし、能力適正化後は不足分を輸入によって補う選択肢が取りやすくなる。
一方、東日本大震災後、原子力発電の縮小を受け電力用C重油の輸入が急増する動きが出てきた。今後、単独では石油製品の安定供給を維持できない可能性も指摘されている。
このため、世界の石油製品流通において確固たるポジションを築くことは、高度化法対応後の石油業界の課題となっている。国際情勢の調査を積極化する動きは、そのための取り組みの第1歩といえる。
全石連は昨年、北東オイルハブ構想の日本市場への影響調査を目的に韓国を訪れた。日本や台湾、中国などへの原油・石油製品物流の中心拠点構築を目指すもので、韓国は日本を将来有望な輸出市場と位置付けているようだ。
石油連盟と資源エネルギー庁はこのほど、アジアの石油製品取引の中心であるシンガポールを訪問。合同でアジアの石油製品需給の実態調査に乗り出した。ここでは低硫黄軽油など日本の高品質製品の輸出可能性を探ることも検討課題の1つとされており、両者は合同で勉強会を発足することも視野に入れている。