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2012年03月14日 前へ 前へ次へ 次へ

宇宙にも広がる植物工場

 何十年も前のことで漫画雑誌だったかテレビだったか定かではないが、宇宙船のなかで乗組員が木から果物をもぎとって食べるシーンをいまだに覚えている。長い宇宙の旅の食料問題に対する一つの解答をみたことが、子ども心に鮮烈だったのだろう▼宇宙航空研究開発機構(JAXA)が現在、植物工場の宇宙での利用に向けて研究を行っているというから、当時のアニメは先見性があったのだと感心する。食べたことはないが、宇宙食だけでは飽きてしまうだろうと思う▼植物工場ビジネスが活気づき、最近では家庭用の製品も相次いで売り出されている。LEDライトと水耕栽培システムを組み合わせたものが多く、電子レンジ程度の大きさのものだと5万円台から買える▼自宅の庭とベランダで野菜作りをしているが、プランター栽培は土の入れ替えなど面倒なことが多い。数日に1回の水やりだけで季節に左右されず安定的に収穫できれば、経済性の問題はあるが「室内農業」が普及する可能性は高い▼東日本大震災や電力問題で自己防衛意識が高まり、家庭用の太陽光発電や蓄電などのシステムが売れている。家庭用植物工場の次にくるのは、雨水の飲み水利用だろうか。自給自足の追求は古くて新しい潮流だが、昔と違うのは先端技術がそこに組み込まれることだろう。


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