地熱発電の規制緩和
電力危機に直面する日本、原子力発電所の再稼働とともに再生エネルギーのすそ野を広げる手立てが必要になる。このままでは、5月にすべての原子力発電所の運転が止まる▼太陽光や風力と並んで、地熱発電も助っ人としての期待が高まる。環境省によれば、日本の地熱発電の理論的埋蔵量である賦存量は約3300万キロワット、法規制などを考慮に入れた導入ポテンシャルが1420万キロワットらしい▼ここでは、自然公園法の規制が大きな壁になる。日本が潜在的に大きな地熱資源を持つにも関わらず、発電能力は53万キロワットにとどまる。コスト高という指摘もあるが、環境保全、景観維持が地熱開発の意欲を押しとどめてきた。地熱発電の候補地のほぼ8割が開発規制のかかる国立公園内にある▼が、ここにきて風向きが変わりつつある。環境省は環境保全がとくに必要な第1種特別地域を除いて、「地域外からの斜め掘り」を認める見直し案を出した。これに対して、通常1?3キロメートルとされる井戸を掘るなら"縦が効率的、"斜め"では不十分という声もある。それでも、まずは一歩前進だ▼2010年、政府は事業仕分けで地熱開発・発電関連事業に対し"辛い評点"をつけた。東日本大震災は、これからの日本のあり方を問い続ける。エネルギーへの俯瞰的な視点は欠かせない。