明暗が交錯した10-12月期GDP
2011年10-12月期の実質国内総生産(GDP)は前期比0・6%減、年率換算で2・3%減となった。タイの洪水や円高定着、さらには欧州の財政危機に起因する世界経済の減速による輸出不振がマイナス成長の主因だ。一方で、個人消費を中心に内需は比較的堅調に推移し、明暗が交錯している。古川元久経済財政担当相は「景気の状況を総合してみれば、上向きの動きが続いている」としているが、輸出の回復と内需の動向が日本経済の焦点になる。
10-12月期GDPは、7?9月期の1・7%という高い伸びの反動もあって2四半期ぶりのマイナス成長となった。内外需別寄与度はサービスや非耐久消費財に支えられた個人消費、民間設備投資、医療や介護など政府最終消費支出の伸びによって内需はプラス0・1%、輸出の2四半期ぶりの減少に加え輸入の増加で、輸出から輸入を差し引いた純輸出はマイナス0・7%となった。
タイの洪水で半導体などの部品調達に支障が発生、電気通信機器や自動車などの生産を直撃した。地域別には、欧州が前期比11%、アジア4%の落ち込みとなり、欧州財政危機や円高のダメージが広がっているといえそうだ。ただ米国向けは小幅ながら増えた。
1月以降も海外経済は不透明感が続いている。足元の米国景気は緩やかに回復しているが、世界経済回復を引っ張ってきた中国経済は、春節明けの力強い回復には遠いようだ。下振れリスクを抱えているなかで、健闘しているのは内需である。経産省が13日発表した第3次産業活動指数では、12月は前月比1・4%、10-12月期は前期比0・7%とプラス水準を維持している。テレビなど耐久消費財は厳しい環境が続くが、自動車は回復に転じており、サービス産業の消費は底堅い。引き続きエコカー補助金など政策支援のほか、東日本大震災の被災地の復興需要も見込める。当面は内需に期待した景気回復にならざるを得ないだけに、政策の役割が高まるだろう。
とはいいながら、日本経済を取り巻く状況は予断を許さない。同時に発表した11年暦年のGDPは前年比0・9%減。2年ぶりにマイナス成長となった。政府経済見通しの11年度マイナス0・1%を実現するには、1-3月期GDPは前期比2・0%成長が必要になる。11年暦年の名目GDPは前年比2・8%減、GDPデフレーターはマイナス2・0%とデフレ脱却は一向に進んでいない。昨年は震災やタイの洪水など予想外の事態に振り回されたが、12年は日本経済の真の実力が問われることになる。