後発薬市場の競争激化招くギャップ
日本のジェネリック医薬品(後発薬)市場は、逆風が強まっている。国の普及促進策は効果がいまひとつなのに、市場での企業間競争だけは先行するかのように激化している。欧米主要先進国でも後発薬使用割合が軒並み5割を超えていることからすれば、2割強にとどまっている日本の後発薬市場は未成熟で成長余地が大きいといえる。しかし期待や見込みに市場拡大は追い付いておらず、現実とのギャップが状況をより厳しいものにしている。
後発薬の数値目標は、2007年5月に政府が策定した「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラム」のなかで初めて示された。「12年度末までに数量シェア30%以上」を目指しているが、今年4月の薬価改定に向けて厚生労働省が昨秋実施した医薬品価格調査(薬価本調査)によると、11年9月の医薬品取引に占める後発薬の数量シェアは22・8%、金額シェアは8・8%だった。
薬価本調査は隔年の薬価改定に対応して行われ、後発薬の数量シェアは07年9月が18・7%、09年9月が20・2%である。厚労省は後発薬の使用を促す処方箋様式の変更、病院や薬局に対するインセンティブ拡充などを制度改革ごとに実施してきたが、年度目標の達成は非常に難しいといわざるを得ない。
4月の薬価制度改革では、後発薬使用促進のさらなるてこ入れ策が実施される。保険薬局で後発薬の有無や価格などを情報提供した場合の薬学管理料での評価、保険薬局の後発薬在庫管理負担を軽減するための一般名処方の推進、処方箋様式のさらなる見直しなどである。
しかし、後発薬を患者に処方したり調剤したりする側へのインセンティブには批判もある。同じ有効成分の先発品よりも基本的に安いという後発薬のメリットは患者が本来享受すべきものであって、それを損ねるような仕組みは本末転倒であるからだ。そこで4月の制度改革では、後発薬の薬価算定の一部見直しが行われる見通しである。
新しく薬価収載される後発薬の薬価は、初回改定時まで先発品の0・7倍が基本になっている。これを内用薬については、収載希望品目数が10を超えた場合は0・6倍にするというものだ。後発薬の普及目標に対する遅れの清算を業界が被る格好になり、実施されれば収益の圧迫要因になる。ただ後発薬と先発薬の価格差は、後発薬選択の大きな動機にはなる。
日本の後発薬市場では、外資を交えた業界再編の地殻変動が起こっている。競争力のある企業が勝ち残る優勝劣敗の時代は、市場成長の鈍さに反して早く訪れたといえる。