三菱ケミカル 事業会社トップで大胆人事 小林喜光社長に聞く
三菱ケミカルホールディングスは昨年末、4月1日付で3基幹事業会社の社長人事を発表した。2011年度からの中期経営計画「APTSIS15」では「協奏」をテーマとし、グループシナジーを最大化することを目標に掲げている。今回の人事では三菱レイヨンの姥貝卓美専務執行役員を三菱樹脂社長に起用するなど、思い切った内容となった。小林喜光社長に今回の人事の狙いを聞いた。
※「上」から変える※
ー 今回の人事の狙いは。
「これまで三菱ケミカルホールディングス(MCHC)グループは、企業統合により田辺三菱製薬、三菱樹脂を誕生させてきたが、三菱化学主導で運営してきたし、それが効率的だった。しかし、三菱レイヨンが4社目の基幹事業会社に加わり、MCHCイコール三菱化学という体制を変えなくてはならないと考えた。私のMCHC社長と三菱化学社長の兼務を解くいいタイミングでもある。ただ、各事業会社の次の社長を下から持ち上げるだけでは面白くない。エンジニアリングや炭素繊維事業では事業会社間の連携を強めており、これを促進するには上から変えるのが一番と考えた。4人の基幹事業会社社長にはMCHCの取締役に就任してもらい、それぞれ担当を明確にするつもりだ」
※役員、部長級も※
ー 新しい社長に期待することは。
「三菱化学社長となる石塚君(石塚博昭専務執行役員)には引き続き石油化学事業の再構築に奮闘してもらう。田辺三菱製薬の土屋裕弘社長にはMCHCグループ全体のヘルスケアソリューションをみてもらう。姥貝さんには機能商品群、三菱レイヨン社長となる越智君(越智仁三菱化学常務執行役員)には炭素繊維などでグループのシナジーを最大化してもらいたい。これから基幹会社の役員、部長クラスの人事に着手することになるが、ここでも各社間の人事交流を進めていく。組織論とは人間学であり、哲学だ。事業シナジーを発現させるには人の交流を行うことが一番の近道だ」
※協奏へ環境整う※
ー 小林社長の仕事も変わりそうですね。
「三菱化学には会長として残るが、個々の事業には口出ししない。MCHC社長としてグループのガバナンス、ポートフォリオマネジメント、外に向けたMITSUBISHIブランドの評価を高める活動の3つが柱となる。これまで構想してきたことがようやく形となる。今年は丸の内1の1の1を住所とする新社屋に移転する。役員フロアや総務など共通している機能はそれぞれ1つのフロアにまとめる。「協奏」を実現するのにふさわしい環境を整えられる。」
ー MCHC社長としてはM&A(合併・買収)が大きな仕事となりますね。
「MCHCグループの事業には実力はあるのだが補完が必要な事業もある。あるいはルーサイト買収のように力技で世界シェアを取りにいくケースもあり得る。15年までの中計期間中に何とか実現させたい。ただ焦るつもりはない。円高は当面続くだろうし、景気が悪い時に無理はしない」