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2011年12月27日 前へ 前へ次へ 次へ

中小企業の構造対策に資する政策を

 中小企業の業況感の低迷が続いている。短期的には世界経済の減速、円高などの影響が大きいが、中長期的にも国内市場の成長が期待できないという構造問題に直面している。経営資源に制約がある中堅・中小企業の経営支援のニーズを的確にくみ上げて、政策に反映させることが望まれる。
 先ごろ発表された中小企業庁の10-12月業況判断DIによると、製造業は前期のマイナス20・5からマイナス20・0に、非製造業は同じくマイナス28・8からマイナス26・0にマイナス幅は縮小した。日銀短観では、中堅製造業は9月調査のマイナス3が12月調査でも横ばいに推移、中小製造業は同じくマイナス11からマイナス8とマイナス幅がわずかに縮小した。
 一方、先行きに関しては、中企庁調査の製造業はマイナス16・6、非製造業はマイナス24・6と引き続きマイナス幅が縮小。これに対し日銀短観では、中堅製造業がマイナス10、前期比7ポイント、中小製造業はマイナス17、同9ポイントといずれも悪化する。見通しに関する2つの統計に違いはあるが、業況感で「悪化」、「悪い」とする企業が大企業に較べると圧倒的に高いということで共通する。
 東日本大震災からの復旧によって業況感は改善したものの、欧州経済危機、円高、タイの大洪水などの影響が押し寄せている。政府は先に成立した第3次補正予算の着実な執行に加えて、第4次補正の早期成立によるきめ細かな中小企業支援が求められる。
 ただ、中小企業を取り巻く環境は、短期的な景気対策にとどまらず構造対策まで踏み込んだ政策支援が必要になっている。中小企業は雇用を含め地域経済を支えており、このまま疲弊が進むと日本経済の地盤沈下が一段と加速する。しかし、少子高齢化のほか、大手製造業の海外展開による国内需要の減少と取引条件の見直し、ものづくりを支えてきた現場力の低下、アジア新興国企業との競争激化など課題は山積している。
 これらの課題をクリアして厳しい競争に勝ち抜く自立的企業を目指すには、社内の経営資源だけでは限界がある。的確な政策と一体になった取り組みは不可欠である。経産省の中小企業政策審議会はこのほど、財務、技術、人材、海外展開、起業・創業などで戦略的経営力強化の方策を示した。
 一方で、11月の提言型政策仕分けでは、施策効果を測る指標が曖昧で効果が見えにくいと指摘された。中小企業が持つ潜在力を最大限に引き出し、経営力を強化するには、省庁の壁を取り払い政府一丸となった政策推進を期待したい。


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