ニュースヘッドライン記事詳細

2011年12月21日 前へ 前へ次へ 次へ

喉元過ぎても熱さを忘れてならないこと

 年の瀬も押し迫り、忘年会もピークを過ぎてきた。その年の苦労を忘れるのが忘年会だが、今年は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではいけないことが実に多かった。東日本大震災や原発事故は、歴史や人々の脳裏に深く刻み込まれる▼年初から相次いだのは中東の反政府デモ報道だったが、3月11日以降は一変した。被災地で起こったことはあまりに衝撃的だったが、原発事故の深刻な波紋、夏場の電力使用制限など、かつて経験したことのないような苦難が続いた▼そうした中、今年の流行語大賞のトップ10に選ばれた「絆」は、世相を表す漢字で1位になった。人と人とのつながりがいかに大切かが再認識されたことは、震災の貴重な教訓といえる。これを胸に刻み、日々の生活で実践しなければならない▼政府は先頃、福島第1原発の原子炉が「冷温停止状態」に達したと宣言した。廃炉までには最長40年かかるとされ、事故処理の道のりは長いが、決死の作業に一区切りついたことで、先の見えない不安は多少なりとも薄らいだ▼リーマンショックから世界経済の立ち直りが鮮明になっていた昨年末は、忘年会も盛り上がっていたような気がする。今年は欧州債務危機が暗い影を落としているが、悪いことがいつまでも続くことはない。苦難の先には必ず光明を見いだせる。


Copyright(c)2010 The Chemical Daily Co., Ltd.