再評価したい新連携支援事業の意義
中小企業新事業活動促進法に基づく新連携支援事業が7年目を迎えたが、先細りが危惧される。この事業は2005年度に制度化され、今年9月末現在で累計761件が認定された。ただ、初年度認定の154件以降は減少傾向にあり、10年度は初めて100件を下回った。今年度は9月末時点で30件未満で、現在3次公募中だが、減少傾向に歯止めがかかる見通しは立っていない。日本の会社数で中小企業の比率は99%を超えるだけに、中小企業の活性化につながる同事業の意義を大きい。東日本大震災で「絆」の重要性を実感した今こそ各社が持つ英知を結集、閉塞感を打破する機会であり、中小企業の底力を発揮するときであろう。
新連携支援事業は中小企業が事業分野を異とする事業者(中小企業、大企業、個人、組合、研究機関、NPOなど)と有機的に連携、その経営資源を有効に組み合わせて新事業・新市場創出、製品・サービスの高付加価値化を目指すもの。新連携事業計画を国が認定し、事業計画に対し補助金、政府系金融機関による低利融資、信用保証の特例など支援していく。
11年度の2次公募では震災の影響だろうか、エネルギー関連や地震対応をテーマにした17件が採択された。具体的には、シリカゲルと光触媒を組み合わせた空気浄化システムによる換気量に頼らずに安全で快適な住空間を実現する「多機能省エネ住宅」の全国展開、都市部対応型マンホール浮上防止技術の開発および事業化、LEDに屈折可能な面発光体の開発と事業化などだ。このほか、医療・介護機関の業務・教育を支援するマニュアルコンテンツの販売なども入っている。
一方、認定された事業計画を地域別でみると、9月末現在で関東の181件に次いで近畿152件、中部144件、九州件、北海道56件、中国55件、東北54件、四国23件、沖縄17件の順番である。また6月末時点の事業計画の事業化率では近畿が122件、82・4%の達成率で、販売金額は約391億円と大きな成果を上げている。企業の絶対数もあるが、多様な業種が集積する大都市圏の方が成果を出しやすい傾向にある。
ただ、中小企業は全国に分布し地域経済に貢献している。地域差を埋める努力、地域性を生かした取り組みも問われている。大きな可能性を秘めた「ダイヤの原石」は大都市だけに偏在するわけではない。中小企業は人材難など厳しい状況が続いているが、自社の強みや弱みを正確に分析して連携を図るとともに、その成果を積極的にPRする努力も必要だろう。企業間の「和」の力に期待したい。