シンガポールのバイリンガル
シンガポールのリー・クアンユー元首相の新著が来週月曜日発売される。「私の生涯の挑戦、シンガポールのバイリンガリズムの旅」と題された本は、元首相の進めた語学政策の奮闘記だ▼同国に駐在した実感として、ある一定の年齢層を除いてほぼすべてがバイリンガル、もしくはそれ以上だということがある。母国語は福建語、英語や北京語を流暢に話し、マレー語も相当解するというシンガポール人は珍しくない。ベトナム人とは福建語を介して会話ができる。タイの夜店で潮州語で価格交渉するシンガポール人もいる。英語は共通語で日常生活には不可欠だが、これに北京語、マレー語、さらには母国語(中国語方言)が加わり、シンガポールの言葉事情はバラエティ豊富だ▼元首相は新著で、中国語で授業を行っていた大学を閉鎖した経緯を明かす一方で、中華系シンガポール人に対し中国語の学習を奨励した理由なども触れている。そしてバイリンガルは1人当たりのGDPで日本を上回る国に発展する原動力の一つとなった▼日本でも小学校からの英語教育や、授業における英語の使用などが議論されている。方法はともあれ、語学教育をより実践的に進めなければならないことは論を待たない。言葉のみならず海外で通じる人材の数を増やすことは国家的急務だ。