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2011年11月16日 前へ 前へ次へ 次へ

急がれる水ビジネスの成長市場展開

 先週、中国・上海市の上海世博主題館(ShanghaiWorld Expo ThemePavilion)で開催された第7回中国国際水処理薬剤展が盛況のうちに閉幕した。今回は、欧州3大水処理展として、主にスペインで開催されていたSMAGUAチャイナも同時に開催されたこともあって、中国や日本、韓国のみならず東南アジア、そして欧米も含め国際色を強めたグローバルな水処理関連の展示会として、その存在感を世界に示したと言っても過言ではない。
 繊維製品や低価格白物家電だけでなく、自動車や家庭用エアコンの生産台数、風力発電設置数など、ここ数年で中国が世界最大という冠を獲得した分野は数限りない。13億の人口基盤と、課題は多いものの高い経済成長を背景に、中国のプレゼンスは世界経済へ大きな影響力を与えていることは、改めて指摘する必要はないだろう。
 そうした中国が、わが国の国会にあたる全国人民代表大会で決議した第12次5カ年計画では、次の成長分野として環境事業を位置付け、国際的に猛烈なイニシアティブを取ろうとしている。閉幕した中国国際水処理薬剤展でも、中国企業の出展が急増しており、併設セミナーでは同国の水処理技術や水処理関連市場に関わる高い成長予測やポテンシャルなどが相次ぎ発表された。
 中国は広大な国土に相反し、世界的に水資源に乏しい国の1つに数えられている。このため水の再生、リサイクル、さらに飲料水を含む水供給体制の整備が大きな課題になっており、欧米や日本など先進国の水関連技術・システムのビジネスチャンスは無限に広がる。すでに中国の農村や地方都市まで含め欧州のウオーターバロンと呼ばれるメガウオーター企業は深く入り込み、中国の飲料水供給などで着実な布石を確保している。
 また、水処理膜やシステムの世界的大手企業は中国に技術開発拠点の設置に踏み切っている。無論、わが国の水処理膜や機械関連企業も中国の水処理市場への参入を強化しているが、展示会の会場で感じたのは、個別企業の取り組みでは限界があり、国を挙げての水戦略が不可欠ということだ。
 東南アジアでは、シンガポールが「SIWW」という水に関わる一大展示会を通じてアジアのウオーターハブという地位を得ようとしている。わが国でも水メジャーを目指した産官学連携も始まっているが、海外展開では圧倒的に遅れているのではないか。成長市場でアピールすることこそ、日本の水ビジネスの競争力を高めるために求められている。


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