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2011年10月28日 前へ 前へ次へ 次へ

パネル討論で大切な何を話すか

 先週、シンガポールで開催された弊社とシンガポール科学技術研究庁共催のR&Dコンファレンスで注目を集めたのが両国化学系学生によるパネルディスカッションだった。パネリストは東京大学、名古屋大学、シンガポール大学、南洋工科大学の学生が務めた▼言語は英語。シンガポールでは公用語のなかで最も普及している。英語を使う場面の少ない日本人にとって圧倒的にハンディがある。その意味でシンガポール人学生が、その表現力では一歩も二歩も優位である▼司会が途中で、質問機会を聴講者に与えたことも日本人学生には不利だった。当然、議論はどう伝えるかが大きなカギを握るが、何を話すかも重要な要素になる。多弁必ずしも雄弁ではない。日本人学生には緊張するなというのが無理な舞台で、いかに化学が社会にとって有用であり、自らの研究が役に立つかを懸命に伝えようとする姿が十分に伝わった▼ある基調講演者は「ガールフレンドにケミストが理由で結婚を拒否された。さてどうする」と質問した。「私は化学と結婚している。ケミストが嫌いという女性とは結婚しない」と東京大学加藤隆史研究室の博士コースを歩むパネリストは答えた▼表現の巧拙は問題ではない。化学研究にかける若き血潮こそ、明日の日本の化学産業を拓く牽引力になる。


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