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2011年10月28日 前へ 前へ次へ 次へ

期待膨らむ電子デバイス産業の復活

 リーマンショックからの回復もつかの間、欧米の景気低迷と国内外で自然災害に見舞われて、再び先行きが懸念される電子デバイス関連産業。しかし「3年後に躍進が始まる」との期待感が高まっている。背景にあるのはスマートフォン需要の急増と、韓国サムスン電子の戦略転換、それに先端部材の高い競争力である。
 半導体や液晶パネル市況は総じて低調である。主因はパソコンと薄型テレビの売れ行き不振だが、こうしなか成長を続けているのがスマートフォンとタブレットパソコン。この2つは高機能かつ軽薄短小が求められるとあって部材単価も高い。マイクロプロセッサ(MPU)も低消費電力ながら処理性能の高いものが搭載される。
 サムスン電子はMPUだけでなく、DRAMやフラッシュメモリもスマートフォン向けに大きなシェアを獲得、米アップルにも納入している。しかし、アップルとはスマートフォン技術を巡り訴訟合戦を繰り広げており、「サムスンは次期モデルの部材サプライヤーから外される」との観測もある。
 そこで関心を集めているのが2-3年後に登場しそうな次世代スマートフォン向けサプライヤーの選定である。高性能MPUの供給能力があるのは世界でも数社に限られる。「米国景気の回復のために、アップルは米半導体大手に発注するのでないか」との見方が強い。
 一方のサムスン電子は薄利多売のメモリー主体から、高付加価値のロジックICや半導体受託生産へと多角化を進めている。なかでも注力しているのが急成長の見込めるカメラやスマートフォン向けCMOSイメージセンサーで、業界筋では「関連技術者を日本の半導体大手から数十人規模で引き抜いている」という。
 だがイメージセンサーはソニーと東芝が世界市場を席巻し、機能面でも一日の長がある。半導体メモリーにおいても東芝とエルピーダメモリが猛追しており、プロセス技術ではむしろ日本勢の勢いが勝っている。スマートフォン向け中小型高精細液晶ディスプレイでは3社統合会社が設立されるなど、オールジャパン体制ができつつある。
 日本の電子デバイス業界の回復は電材需要に直結する。高性能半導体やイメージセンサー向けのフォトレジスト、カラーフィルターなどでは日本がもともと強いが、"サムスン離れ"による新規需要も期待できる。
 果たして3年後に「日本の時代」が再び訪れるのか。電材業界の業績には厳しさが増しているだけに期待は大きい。国際競争力の要となる産業だけに国を挙げて実現させたいところだ。


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