奥の深いインド
国際通貨基金(IMF)の予測によると、購買力平価基準でのインドの国内総生産(GDP)が2011年にも日本を抜いて米国、中国に次ぐ世界3位に浮上する見通しという。名目GDPだと日本の3分の1だが、インドはモノやサービスの価格が安いからである▼5年前に初めてインドを訪れた際、商都のムンバイで路上生活者の多さに驚いたが、同時に混沌から生み出される強烈なエネルギーも感じた。またスズキ車の多いことに日本人として何か誇らしく思った▼貧困層の多さ、インフラ整備の遅れなど多くの課題を抱えながらも、インドは急成長を続けている。12億を超える人口、優秀な人材の多さ、英語の通じやすさも魅力だろう。街では小さな子どもが英語で話しかけてくる▼ここ数年、あらゆる産業分野で日本企業のインド進出が相次いでいる。化学は出足が比較的早かった。後発医薬品を世界展開している現地大手のランバクシー・ラボラトリーズを第一三共が買収するなど、製薬分野での大型M&Aもあった▼昨年、中国は名目GDPで日本を抜いた。恐らくインドもそうなるだろう。両国は人口大国という点で共通するが、インドは世界最大の民主主義国家である。マスコミも発達し、日刊紙の種類は世界で一番多い。歴史や宗教でもインドは奥が深い。