【持続的成長と化学の力】JX日鉱日石エネルギー・木村康社長
「ベストミックス」不可欠
製造業が安心できる国に
製造業を支える立場にあるエネルギー産業。JX日鉱日石エネルギーの木村康社長は、エネルギーのベストミックスの構築が、国内で安心してモノづくりが行える体制整備につながるとして、「低環境負荷」「高効率」をキーワードに多様な選択肢をマーケットに提案している。
※復興が成長の刺激※
▼ 東日本大震災が日本の製造業に与える影響をどうみていますか。
「現状は地震と津波による大被害から立ち上がりつつある段階。当社の製品でも軽油やA重油、また原子力発電所の停止で発電向けC重油の需要が増えるなどの動きが出てきた。中長期的観点からは、この復興を通じてより生産性の高い社会を実現し、日本全体の成長の刺激になってほしい。当社も仙台製油所が被害を受けた。来年3月の生産再開を目指すと同時に、新エネルギーの発信基地としてメガソーラーなども検討したい」
▼ 電力不足や円高により、製造業の空洞化が懸念されます。
「製造業の発展なくしてエネルギー産業の繁栄はありえない。エネルギーのベストミックスによって、効率的、安定的かつ低廉なエネルギーを供給する仕組みを構築し、国内で安心してモノづくりができる体制を整えなければならない。ベストミックスはさまざま選択肢から、最終的には需要家である産業界による選択を通じて構成されてくる。ただ、利便性や安定性からみて石油はその中心になるはずだし、そうなるべきだと考えている」
※革新続け先端追求※
▼ 再生可能エネルギーは、どの程度まで産業を支えるインフラになり得るでしょうか。
「再生可能エネルギーはコストと安定性に問題を抱えており、やはり他のエネルギーとの組み合わせの議論になる。政策誘導によってかなり変動する部分はあるものの、今後10年でいえば、10%台を超えてくると安定性に支障が出てくるだろう」
▼ 日本のモノづくりの基盤強化には、何が求められていると思いますか。
「技術立国として、常に最先端のモノづくりを行っていくこと以外にないのではないか。他が追随してきても、永遠のイノベーションによって常にその先へ進み、質の高いところで競争をしていくことが必要だろう。自動車でいえば、ハイブリッド車や電気自動車、燃料電池車など、自動車の進化系を提示し続ける力が日本にはある」
※高効率利用を提案※
▼ "メガトレンド"に対する貢献は。
「エネルギー産業である当社にとって最も関係があるのは、低炭素・省資源の流れだろう。エネルギー産業は、エネルギーの転換産業であり、当社は環境負荷の低いエネルギーを提供すると同時に、それを効率良く利用する手段を合わせて提案していくことにしている。100あるエネルギーを100の効率で使ってもらうことが理想だ。例えば、石油だけでなく液化天然ガス(LNG)も販売しており、これを有効に利用する手段としてコージェネレーションの提案も行っている。こうした活動を通じて、社会と融和していきたい」
(随時掲載)