着実に広がる企業の社会貢献活動
企業の持続的成長にとってCSR(企業の社会的責任)活動は欠かせないものになっているが、日本経団連がこのほど実施した会員企業への社会貢献活動調査で、着実に浸透していることが分かった。「基本的な方針の明文化」や「専門部署、担当者の設置」を行っている企業が6割台に達しているほか、社会貢献支出の予算化についても50%が導入済みという。
経団連は会員企業(1%クラブ法人会員を含む)1304社を対象に社会貢献活動支出・制度の実態を調査、その結果を公表した。425社から回答を得が、連結対象企業を含めると、ほぼ6100社の実績を反映したものになるという。
注目される2010年度の支出合計額は1567億円(407社回答)で、09年度(348社回答、1533億円)からわずかに増えたが、1社当たりの平均支出額は3・85億円で前年度から12・7%減少している。もっとも、前年度と今年度連続して回答した企業(302社)でみると、支出合計額は1455億円と前年度の1497億円から微減。1社平均支出額は4・82億円である。
この実績について、経団連では年のリーマンショックの影響があらゆる経済指標に顕著に反映されたなかでの減少傾向としており、2年連続回答した企業の平均支出額は微減にとどまっていることから、"後退"とはいえないと分析した。
実際、リーマンショックの影響を引きずり厳しい経営環境に置かれたにも関わらず、社会貢献活動関連の支出が維持されたことは、企業のなかでCSRに対する認識が定着していることを示唆している。このなかには、支出額の増額に踏み切った企業もある。
一方、資本金別の支出についてみると、資本金1000億円以上の企業1社当たり平均支出額は12・89億円(前年比1%減)、500?1000億円の企業が5・22億円(同4%減)、300?500億円の企業が1・82億円(同19%増)、100?300億円の企業が1・02億円(同8%減)、100億円未満の企業が0・56億円(22%減)という内訳だ。
支出の対象は「教育・社会教育」が18・7%4年連続でトップ。以下、「学術・研究」(16・8%)「環境」(13・9%)「文化・芸術」(12・6%)「健康・医学、スポーツ」(11・4%)「地域社会活動、史跡・伝統文化保全」(8・4%)と続く。
また、ボランティア休暇制度の導入は回答企業48%、ボランティア休暇制度も20%が導入しており、CSR活動の一環としての社会貢献活動の制度整備も進展しているといえそうだ。