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2011年09月30日 前へ 前へ次へ 次へ

シンガポールの少子化対策

 アジアには少子高齢化に悩む国が少なくない。出生率が日本以上に低い国もある。シンガポールもその一つ。同国では現状のままだと2020年には国民・永住権取得者の合計が368万人とピークに達し、その後は減少に転じるとシンガポール国立大学行政大学院の政策研究所が調査報告をまとめている▼日本はすでに数年前から人口の減少が始まっており、高齢化があいまって市場の成熟化があらゆるところで進んでいる。東日本大震災、円高により産業の空洞化が進み、さらに活力を奪うという悪循環に陥っている▼シンガポールの調査報告では、人口の維持のためには移民が不可欠という結論になっている。英語、中国語など世界で多くの人が話す言語が公用語となっている点、狭い国土と少ない人口によって管理しやすい環境となっていることなど、シンガポールには日本より移民を受け入れる要素は多いが、それでも具体化までには議論が必要だろう▼日本も様々な少子化対策が打ち出され、実行されているが、若くて活力のある国をもう一度作るというのは容易ではない。人口減少に歯止めをかけ、増加に転じるには大きな発想の転換が必要だろう。人口も面積も日本とは比較にならないなどと言わず、シンガポールの動向を謙虚に注意深く研究するのは一考ではないか。


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