ニュースヘッドライン記事詳細

2011年09月29日 前へ 前へ次へ 次へ

合成ゴムでも始まるバイオ原料転換

 ランクセスはバイオベースの原料を使いエチレン・プロピレンゴム(EPDM)の生産に乗り出すことを決めた。ブラジルのブラスケムがサトウキビ由来のエタノールから製造したエチレンを供給、ランクセスは同国の生産拠点でEPDMを生産する。バイオベースのEPDMを生産するのは同社が世界で初めてになる。
 ランクセスは合成ゴムのパイオニアである。ランクセスの前身のエルバーフェルダ・ファルベンファブリーケン・フリードリヒ・バイエル社に勤務していたフリッツ・ホフマンが合成ゴムを発明し、合成ゴム製造に関する特許250690号を1909年9月12日に取得した。
 合成ゴムが誕生してから100年以上経過したが、ランクセスが技術革新を重視する姿勢は、発明時と変わらない。
 バイオベースのEPDMの生産は、パイオニア企業としての気概を示すものだ。ランクセスはバイプラインを通してサトウキビを出発原料としてエタノールから生成したエチレンを取得し、EPDMの生産に使う。初回の生産量は数百?規模を予定している。
 バイオベースの原料を合成ゴムの生産に使う研究開発は、ブチルゴムでも進んでいる。同社はバイオ燃料・化学事業を展開する米Gevo社に出資して、バイオベースのイソブタノールを取得することで合意している。ランクセスはGevoが供給するイソブタノールを用い、脱水化プロセスによってイソブテンを生産し、ブチルゴムの原料として活用する計画だ。医療機器や自動車タイヤ分野などを対象にしたブチルゴムの研究開発に加え、バイオベースの原料を使ったブチルゴムを研究するため、カナダに研究開発センターを開設している。
 ランクセスは合成ゴムの成長を支えてきた企業の1社として長い歴史を持つが、ランクセス自体の歴史は浅い。バイエルの化学品事業と高分子材料の大部分を引き継いで発足し、株式を上場したのは01年1月である。
 上場以降、非コア事業から撤退する一方、積極的な投資によって成長戦略を推進してきた。とくに中国などアジア地域での投資が目立ち、ブチルゴムやアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)の新工場建設計画を進めている。
 LANXESS(ランクセス)の社名は、フランス語で前へ進むことを意味する「lancer」と、英語で成功を意味する「success」を組み合わたという。上場を契機に、この社名を具現する多様な事業展開が進む。合成ゴムの原料多様化もその一環だが、成功につなげてほしいものだ。


Copyright(c)2010 The Chemical Daily Co., Ltd.