タンクコンテナ軸に物流効率化を
液体化学品のタンクコンテナによる国際輸送は現在、世界的に拡大期にある。20キロリットル以上で移動できるうえ海運・陸運両用という特徴もあって、世界の大手オペレーターやリース会社は月間数百本単位で保有数(フリート数)を増やしているといわれ、日本もこの流れに遅れないよう中長期の視点を持った対応が必要だ。わが国ではタンクコンテナを使用できる化学工場は多くないだけに、並行して使用が可能になるようなインフラ整備も急がれる。
今年5月、世界タンクコンテナ機構(ITCO=インターナショナル・タンクコンテナ・オーガニゼーション、本部・ブリュッセル)が独ミュンヘンで展示会を開きタンクコンテナの世界普及を目指し、情報交換の場が持たれた。これに先立ち、今年2月にアジア地域のタンクコンテナメーカー、オペレーター、リース会社などがATCO(アジア・タンクコンテナ・オーガニゼーション)を発足、6月に上海で初会合を開催した。タンクコンテナメーカーは中国に集中しており、欧米各国も中国の動向を無視できず、アジア重視を強めている。
これに対して、日本はタンクコンテナ市場が未成熟なため、こうした国際活動の蚊帳の外に置かれがちである。ATCOは今後、メンテナンスや洗浄デポなどの基準を設定し、規制枠を設ける分科会による検討を開始するといわれ、日本もこれらの情報を入手して、早めの対応が必要になる。
日本では24キロリットルの危険物を運ぶ規定がなかったため、法的適合性を巡り混乱したこともあったが、国連(UN)規格に沿った物流容器であることから、特例的に流通が認められるようになった。ただ、日本での使用にはさまざまな規制がある。中身の入ったタンクコンテナを港に保管するには仮貯蔵の申請をして一定期間保管できるが、延長する際には、その都度申請手続きが必要になる。このほかタンクコンテナとトレーラーの所有者が異なると手続きが煩雑になるという。
こうした制約がありながらも、化学工業のバルク輸送による効率化、ケミカルタンカーの減少などからタンクコンテナの利用が徐々に拡大している。しかし、今なお狭隘な道路や狭い化学工場では1oトンローリーが限界というところが多い。
とはいえタンクコンテナの拡充は世界的な流れだ。アジア市場で日本の化学工業が生き延びるためにも、タンクコンテナの役割りは重要性を増す。このところの円高はコンテナ新造にとって追い風になるだけに、タンクコンテナを軸に物流効率化を図るチャンスかもしれない。