現場力が支えた4-6月期の回復
震災から5カ月余。復旧に向けて動きだした4-6月期の実績が7月末から相次いで発表された。この期間の企業業績はサプライチェーン寸断の影響を受けた自動車などで厳しさが続いたものの、復旧は順調に進んだ。化学では上期業績の上方修正が相次いだ▼4-6月期の鉱工業生産は3月の前月比15・5%減が響き、前期比4・0%減になった。それでも3カ月連続で前月比プラスと着実な回復ぶりだ。今週発表された国内総生産(GDP)は前期比0・3%減となったが、民間の事前予測ほどは落ち込まなかった▼日本経済の底力を感じさせる数値だが、牽引したのは民間の頑張り。被災した工場を立て直した「現場力」は賞賛に値するだろう▼一方で気になるデータもある。個人消費の控除項目にある「非居住者家計の国内での直接購入」は前期比26・8%減。これは外国人観光客の消費激減が原因で、原発事故などによる大量の訪日キャンセルの影響という▼震災による経済活動の停滞は、リーマンショック後の不況ほど深刻ではなさそうと胸をなでおろす一方、新たな苦難も待ち受けている。強すぎる円だ。史上最高値も視野に入る円レートに産業界から悲鳴があがり始めた。回復に転じた外国人観光客にも水を差す。「人災」による二番底防止、的確な政策が問われる。