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2011年07月28日 前へ 前へ次へ 次へ

動き出した沖縄県でのE3普及事業

 環境省が推進しているバイオ燃料の本格普及に向けた実証事業は、首都圏でエコ燃料実用化地域システム実証事業を行ってきた日伯エタノールにより沖縄県で開始された。石油精製会社の製油所でE3を製造し、精製会社系列のガソリンスタンドを開拓、供給量を拡充する。沖縄県を対象に普及させる3カ年の実証事業だが、石油元売りが参加した試みとなり、その成果が期待される。課題はこれをどう全国展開へと結びつけるかであり、とくに大手元売りとの協力関係をつくり具体化させるかが焦点になる。
 政府は昨年6月、エネルギー基本計画を閣議決定し、2020年を目標に全国で消費されるガソリンの3%以上をバイオ燃料に転換することにしている。福島第1原発の事故を契機に一段と再生エネルギーの位置づけが高まっており、燃料分野においても政策支援が加速される可能性がある。
 こうしたなか、環境省は今年度から「バイオ燃料本格普及事業」を具体化。首都圏でのエコ燃料実用化地域システム実証事業を通じて知見を蓄積してきた日伯エタノールが、沖縄県で行う普及事業として実施することになった。バイオ燃料の実証事業から民間事業への移行を図るもので、ガソリンに3%を直接混合するE3導入を目指す。
 この普及事業では、サトウキビの主要産地である沖縄において、可能な限り同県産のサトウキビ由来のバイオエタノールを活用する。また、沖縄に所在する石油精製業者が所有する製油所で精製された基材ガソリンを使用して、バイオエタノール混合ガソリンを製造し、沖縄県内のガソリンスタンドで供給する体制を組む。バイオエタノールは、日本アルコール産業出水工場(鹿児島県)で精製し、南西石油西原製油所(沖縄県)の基材ガソリンを使い製造される。
 首都圏での実証事業が前年度で終了したが、次のステップと位置付けられる石油元売りの協力を得て沖縄での本格普及に取り組むものだ。この成果に基づいてE3普及へ全国的な道筋をつくるのが狙いとなる。
 農林水産省でも同様に実施しているバイオ燃料事業においても検討すべき課題であるが、当面の最大課題は大手石油元売りとの連携だろう。日本の場合、バイオ燃料は、揮発油等の品質確保等に関する法律(品確法)や消防法などの規制から、基材ガソリンの供給元で生産しなければならない。このため、元売り側にとっては、ETBEに加えE10、E20を想定して、安定したバイオエタノールの入手が必要になる。関係団体の長期的展望に基づく協力関係が必要である。


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